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堆肥をうね上施用したアスパラガスの収量と品質

[要約]

アスパラガスの立茎夏秋どり栽培において、堆肥5〜7t/10aをうね上施用すると、全層施用に比べてアスパラガスの1本重が重く株当たりA品収量が多くなる。このとき、うね上施用の堆肥と土壌との間にアスパラガスの根が多く分布し、うね上施肥窒素を効率的に吸収する。

[キーワード]

アスパラガス、立茎夏秋どり、堆肥、うね上施用

[担当]

山形農総研・農業環境研究部・環境技術開発科、山形置賜産地研、山形最上産地研

[代表連絡先]

電話 023-647-3500

[区分]

東北農業・基盤技術(土壌肥料)

[分類]

技術・普及

[背景・ねらい]

アスパラガスなどの多年生作物を栽培する場合、有機質資材をマルチ代わりにうね上施用して雑草抑制や保湿、夏期の高温防止に利用することがある。そこで、アスパラガスの立茎夏秋栽培において、堆肥をうね上施用する時の収量及び品質に及ぼす影響を検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 堆肥5〜7t/10aをうね上施用(厚さ2〜3cmに堆肥マルチ)すると、全層施用に比べてアスパラガスの1本重が重く、株当たり収量及びA品収量が多くなる(表1)。
  2. うね上施用すると、施肥した窒素の土壌への移行は少ないが、施用した堆肥と土壌との間にアスパラガスの根が多く分布し、うね上に施肥した窒素を効率的に吸収する(表2図1)。
  3. 堆肥をうね上施用する時、肥効調節型肥料を用いることにより、A品収量が多くなり、商品率が高まる(図2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本試験では、C/N比20〜25程度の籾殻牛ふん堆肥を用いた。また、現地実証試験では、籾殻牛ふん堆肥、オガクズ牛ふん堆肥、籾殻豚ぷん堆肥を使用した。
  2. アスパラガスの定植1年目に堆肥のうね上施用を行うと、地温の上昇が抑えられて生育量が小さく2年目の収量が減少するため、うね上施用は定植1年目の秋以降の萌芽前に行う。また、堆肥は2〜3年に1回うね上施用する。
  3. 堆肥のうね上施用による雑草抑制効果等は、平成15年度研究成果情報「アスパラガスにおける堆肥の表層施用の効果」を参照。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
土壌バイオマスコントロールによる持続型土づくりの確立 他
予算区分
県単
研究期間
2003〜2005年度
研究担当者
森岡幹夫、石山新治、岡部和広