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「阿久津曲がりねぎ」は盛夏期の植え替えにより品質が向上する

[要約]

在来ネギの「阿久津曲がりねぎ」は、盛夏期に植え替えることにより葉鞘が柔らかくなり、糖含量が増し品質が向上する。

[キーワード]

在来ネギ、曲がりネギ、植え替え、柔らかさ、糖成分

[担当]

福島農総セ 作物園芸部・野菜グループ

[代表連絡先]

電話024-958-1724

[区分]

東北農業・野菜花き(野菜)

[分類]

技術・参考

[背景・ねらい]

福島県郡山市阿久津地区では、明治30 年頃に導入されたと伝えられる在来ネギ「阿久津ねぎ」を曲がりネギとした「阿久津曲がりねぎ」が栽培されている(図1)。「阿久津曲がりねぎ」栽培では、春に直立に定植したネギを盛夏期に斜めに植え替える「やとい」作業が行われる。これによりネギは葉鞘が曲がって伸長し、通常の直立栽培を行った場合に比べて、柔らかく食味が良いとされている。

本成果情報は、植え替えの有無、直立植えと斜め植えの違いが「阿久津ねぎ」の品質に及ぼす影響を解析し、「やとい」作業の効果を検証するものである。

[成果の内容・特徴]

  1. 盛夏期の植え替えによって収穫時の葉鞘は柔らかくなる。斜め植えによる影響はみられない(表1)。
  2. 糖度は、栽培法による差はない(表1)。
  3. 収穫時の糖含量は植え替えによって増加する。増加する糖はフルクトースとグルコースである。斜め植えによる影響はみられない(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本成果は「阿久津ねぎ」を対象としたものである。
  2. 「阿久津曲がりねぎ」の定植期は4月〜5月、植え替え(やとい)期は8月〜9月、収穫期は10月下旬〜3月、収穫盛期は11月下旬〜1月である。
  3. 具体的データに示した栽培法のうち直立植え替えは、植え替え時に草丈が伸びているため実際の栽培では困難である。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
阿久津曲がりネギの品質向上と生産性向上技術の開発
予算区分
県単
研究期間
2006 〜 2007 年度
研究担当者
緑川弥寿彦