研究所トップ研究成果情報平成23年度

人や車輌の出入りがある施設内での放射線の実態

[要約]

人や車輌の出入りがあるハウスや選果場における放射線量を測定したが、施設内部は外部より低く、減少傾向である。しかし、施設外部には放射線量の高い場所があるため、このような場所には近づかない注意が必要である。

[キーワード]

放射線量、ハウス、選果場

[担当]

福島農総セ・企画経営部・経営・農作業科

[代表連絡先]

電話024-958-1700

[区分]

東北農業・基盤技術(作業技術)

[分類]

研究成果情報

[背景・ねらい]

作業者等の出入りにより放射性物質が施設外部より内部へ持ち込まれないか等、放射性物質の人為的な移動実態が不明である。そこで、ハウス(キュウリ栽培)や選果場(キュウリ、モモ・ナシ)の施設内外の放射線量を調査し、作業者や車輌の出入りがある施設内の放射線の実態を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 毎日2人による作業が行われているハウス内における放射線量は、出入口以外は地表面が地上高1m 地点より低く、ハウス内の土壌は放射線による影響が少なく、日時の経過とともに減少傾向である。また、ハウス外の地表面の放射線量は、地上高1m 地点やハウス内の地表面より高い(図1)。
  2. 台風による冠水後の調査では、ハウス内は変化が見られないが、ハウス外は側面・地表面の放射線量が増加し、大雨の影響と考えられる(図1)。
  3. 約200 戸が利用している選果場(キュウリ)では、車輌での搬入や選果作業が行われているが、施設内部の放射線量は、日時の経過による増加傾向が見られない(図2)。
  4. 約350 戸のモモ農家と約180 戸のナシ農家が利用している選果場(モモ・ナシ)における放射線量は、選果場外部の地表面において8月11 日まで増加しているが、その後は減少している。この部分は雨水がたまりやすいコンクリートの境目部分であり、このような場所には近づかない等の注意が必要である。また、選果場内部やトレイの放射線量は変化が見られない(図3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 福島第一原子力発電所からの距離は、ハウスと選果場(キュウリ)が約65km、選果場(モモ・ナシ)が約70km である。
  2. ハウスの調査地点は、ハウス内(中央畝間とハウス外周部より30cm 内側)やハウス外(ハウス外周部より30cm 外側)、ハウス出入口である。選果場の調査地点および車輌の流れは図2および図3に図示したとおりである。なお、環境・1m は、屋外で建物から離れた地点での地上高1m 地点の放射線量のことである。
  3. 放射線量を測定したサーベイメーターは、NaI シンチレーションカウンター(LUDLUM MODEL2241-2)である。
  4. ハウスは間口35m、長さ32m、面積約11a の連棟パイプハウスで、震災以前から被覆されている。また、9月21 日に台風15 号の通過による大雨で、約4時間ハウス全体が冠水している。
  5. 選果場(モモ・ナシ)におけるトレイは選果する際に果実が1つずつ乗るフリートレイ方式であり、選果場内で使用される。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
農作業における放射線被曝低減技術の開発
予算区分
県単
研究期間
2011 年度
研究担当者
大野光、松葉隆幸