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ナガイモ種苗増殖における種いも形状選抜法

[要約]

ナガイモの種苗増殖において、相対的に細長い形状不良な1年子は種いもとすると後代のいも形状も不良となるため、廃棄する必要がある。切いも種子の形状は後代に影響が少ないため、強度の選抜を行う必要はない。

[キーワード]

ナガイモ、種苗増殖、むかご、1年子、切いも、形状選抜

[担当]

青森産技セ野菜研・品種開発部

[代表連絡先]

電話0176-53-7171(代表)0176-53-7419(直通)

[区分]

東北農業・野菜花き(野菜)

[分類]

普及成果情報

[背景・ねらい]

青森県は全国最大のナガイモ産地であるが、近年流通関係者から、細長いいもが多く、形状もバラツキがある、との指摘がある。その一因として、種子いもの種類や形状選抜が関係していると考えられている。そこで、それらが後代のいも形状に及ぼす影響を検討し、高品質ナガイモ生産のための種いも形状選抜法を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. ナガイモの1年子増殖において、親世代の1年子がいも長、首長が長くいも径が細い不良な形状であると、後代のいも形状も不良となるため、廃棄する(表1)。
  2. ナガイモの切いも増殖においては、1年子増殖のように、親世代の形状が後代のいも形状に影響しないので、1年子増殖ほど強度の選抜を親世代で行う必要はない(表2)。
  3. 切いも増殖において、極端に細長い形状不良ないもが生じた場合は、種いもとしては使用せず、廃棄する(写真1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 普及対象   ナガイモ種苗生産農業者
  2. 普及予定地域 青森県下全域
  3. 普及上の留意点
    本情報は、切いも増殖体系により十分な選抜を繰り返してきた、遺伝的な純度が高い母本集団から採種された種いもについて行った研究に基づくものである。このため、遺伝的に雑多であったり、変異を含んでいる可能性がある母本集団から採種された種いもに対しては適用できない。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
ナガイモ優良種苗の増殖技術の開発
予算区分
県単(交付金)
研究期間
2007 〜 2011 年度
研究担当者
鎌田直人、菊池昌彦、古川尊仁、前嶋敦夫