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リンゴ剪定枝チップの地表面施用は白紋羽病及び紫紋羽病の発生を助長しない
[要約]
リンゴ剪定枝チップの地表面施用は、チップの形状や施用年数、施用量にかかわらず、白紋羽病及び紫紋羽病の発生を助長しない。
[キーワード]
リンゴ、剪定枝チップ、白紋羽病、紫紋羽病、地表面施用
[担当]
青森産技セ・りんご研・病虫部
[代表連絡先]
電話0172-52-2331
[区分]
東北農業・果樹
[分類]
普及成果情報
[背景・ねらい]
青森県では毎年、薪として利用されない剪定枝が約5万t 発生し、その多くが焼却処分されている。近年、チップ化して堆肥として農地に還元されている事例もあるが、生チップをそのまま園地に施用すれば、簡便でなおかつ環境に優しい剪定枝の利活用が図られる。しかし、未熟な有機物は紋羽病の栄養源になるといわれており、これが利用拡大を阻んでいる。そこで、剪定枝チップの利活用促進を図ることを目的に、長年剪定枝チップを地表面施用している園地や紫紋羽病多発圃場及び白紋羽病接種圃場に剪定枝チップを地表面施用した園地を調査して、剪定枝チップの地表面施用が白紋羽病及び紫紋羽病の発生を助長しないことを明らかにする。
[成果の内容・特徴]
- 剪定枝チップの地表面施用は剪定枝チップの形状あるいは施用年数にかかわらず、白紋羽病及び紫紋羽病の発生を助長しない(表1)。
- 紫紋羽病多発圃場及び白紋羽病接種圃場に剪定枝チップを地表面施用した園地では、紋羽病による枯死樹や感染樹はみられるが、施用の有無や施用量による違いはなく、発生を助長しない(表2、3)。
[成果の活用面・留意点]
- 普及対象
リンゴ生産者、リンゴ栽培指導者
- 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等
青森県内全域リンゴ栽培面積21,600ha(2011 年現在)
- 土壌中に生息する紋羽病菌は新鮮な剪定枝チップを好む傾向にあるので、紋羽病が多発している園地では土壌にすき込まない。

[具体的データ]



(( 地独) 青森県産業技術センターりんご研究所)
[その他]
- 研究課題名
- りんご病害虫の発生動向に応じた新防除技術の開発
- 予算区分
- 青森県交付金
- 研究期間
- 2009 〜 2012 年度
- 研究担当者
- 赤平知也