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アスパラガス伏せ込み促成栽培の根株養成における夏季の灌水効果と灌水方法

[要約]

アスパラガス伏せ込み促成栽培の根株養成時に灌水をすると、生育が旺盛となり根株重が重く、商品収量が増加する。灌水方法は、梅雨明け以降高温期に、連続した7日間の降水量と灌水量の合計が10〜20mm となるように行うと効果的である。

[キーワード]

アスパラガス、伏せ込み促成栽培、灌水

[担当]

山形県農業総合研究センター園芸試験場・野菜花き部

[代表連絡先]

電話:0237-84-4125

[区分]

東北農業・野菜花き(野菜)

[分類]

研究成果情報

[背景・ねらい]

アスパラガスの伏せ込み促成栽培において収量性の高い根株を養成する技術を開発するため、根株の生育および収量に及ぼす養成畑における灌水の効果と灌水方法を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 根株養成畑の地上部の生育は灌水により旺盛となり、灌水しない場合と比べて株周が2割程度大きく(図1)、掘り上げた根株の重量も2割程度増加する(表1)。
  2. 灌水を行って養成した根株の促成収量は、灌水をしない場合と比べて商品収量が4〜5割程度増加する(表1)。
  3. 灌水方法は、梅雨明け以降高温期に連続した7日間の降水量が10mm または20mm 未満の場合、降水量と灌水量の合計が10mm または20mm となるように行い、畝間またはベッド内に行う(表2図2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本試験は山形県内陸地域の沖積埴壌土(農業総合研究センター園芸試験場内)で実施した。
  2. 灌水時期と量の決定は、原則として連続した7日間の降水量を累計して行う。累計降水量が10mm(20mm)未満の場合、降水量と灌水量の合計が10mm(20mm)となるよう7日目に灌水する。ただし、累計降水量が10mm(20mm)を超えた場合は、その翌日からの7日間の降水量を累計する。
  3. 灌水処理期間である2011 年7月13 日〜9月18 日のアメダス左沢地点における期間平均気温は23.5度C(平年差+0.9)、積算降水量は196mm(平年比63%)であった。

[具体的データ]

(鈴木実幸)

[その他]

研究課題名
寒冷地特性を活用しアスパラガスの周年供給を可能とする高収益生産システムの確立
予算区分
実用技術
研究期間
2009〜2011
研究担当者
鈴木実幸、永峯淳一