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黄緑色の八重咲きトルコギキョウ新品種「こまちグリーンドレス」
[要約]
花色が黄緑色で花弁の重なりの良い八重咲きトルコギキョウF1品種「こまちグリーンドレス」を育成した。蕾が大きく、花蕾が上部に揃い、摘除する2 cm 未満の小さな蕾が少ないので、調製作業が省力的である。作型は7〜 10 月収穫が適する。
[キーワード]
トルコギキョウ、育種、新品種、八重咲、黄緑花、花形
[担当]
秋田農試・野菜・花き部・花き担当
[代表連絡先]
電話018-881-3330
[区分]
東北農業・野菜花き(花き)
[分類]
研究成果情報
[背景・ねらい]
トルコギキョウは秋田県の重点振興品目の一つで、栽培面積の拡大や収益性の向上につながる品種が求められている。また、花色が豊富で、花形も多様化しているため、品種育成においては、同一の形質で花色が異なる品種群によるシリーズ化が求められている。これまでに、白花八重咲きで中晩生の「こまちホワイトドレス」を育成したのに続き、多様な花色の八重咲きトルコギキョウのシリーズ化を図る。
[成果の内容・特徴]
- 「こまちグリーンドレス」は、No.08-014(黄緑花一重咲き)を種子親、No.04-046(白花奇形八重咲き) を花粉親とするF1 品種である。種子親の固定は雑種第2 世代のNo.00-236(黄緑地紫覆輪花一重咲き)を母本として2000 年から開始し、雑種第6世代のNo.08-014 で固定を終了した。花粉親の固定はNo.00-261 を父本として2000 年から開始し、自殖第5世代のNo.04-046 で固定を終了した(図1)。
- 花色は黄緑色(JHS:3303, RHS:145C)で、花型は花弁の重なりの良い八重咲きで、花の直径は60 〜 70mm の中輪タイプである(表1、2、図2B)。
- 草姿は頂天咲きで、分枝数は4〜6本程度である。有効花蕾となる蕾は丸く大きく、出荷調製時に開花している小花および蕾として残す2 cm 以上の小花は上部に揃い、摘除する2 cm 未満の小花は少ない(表1、2、図2B)。従って、出荷調製作業が省力的である。
- 開花の早晩は中晩生で、11 月定植の無加温越冬栽培における収穫期は7月で、6月定植のシェード抑制栽培における収穫期は9〜 10 月である。草丈は90cm 以上で有効花蕾数は10 個以上着生する(表1、2)。
- 本品種は、2009 年に育成した「こまちホワイトドレス」と同一の母本および父本から育成したため、花色以外は類似した生育特性、切り花形質を示す(表1、2、図1、2)。
[成果の活用面・留意点]
- 本品種は、品種登録出願公表中である(出願番号26670 号)。
- 抑制栽培においては、切り花長確保のためシェード栽培が望ましい。
- 種苗供給については、当面秋田県内限定である。
[具体的データ]




( 秋田県農業試験場)
[その他]
- 研究課題名
- ブランド花きを目指す新品種育成
- 予算区分
- 県単
- 研究期間
- 1999 〜 2012 年度
- 研究担当者
- 間藤正美、山形敦子、佐藤孝夫
- 発表論文等
- 品種登録出願公表中(出願番号第26670 号)