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春出し作型におけるトルコギキョウの暖房コスト低減に効果的な夜間変温管理方法
[要約]
トルコギキョウの春出し作型における開花促進に効果的な短時間昇温方法は2月より18時から22時を20度C、22時から7時までを10度C、7時以降を15度Cで管理する方法である。また、電気加温機を用いた場合、15度C一定管理に比べ消費電力が約40%削減できる。
[キーワード]
トルコギキョウ、変温管理、開花促進、春出し作型
[担当]
福島県農業総合センター・花き科
[代表連絡先]
電話024-958-1725
[区分]
東北農業・野菜花き
[分類]
研究成果情報
[背景・ねらい]
福島県におけるトルコギキョウの春出荷の作型では、燃料費の高騰による暖房コストの増大に対処するため、加温設定温度を下げることで、切り花品質及び収量の低下や開花時期の遅れが生じ、高品質安定生産が難しくなっている。暖房費の削減方法には変温管理があるが、品目別温度や開始時期など明らかになっていないのが現状である。
そこで本研究では、春出し作型のトルコギキョウの切り花品質や収量を維持しながらコスト低減を図るための効果的な夜間変温管理方法を開発する。
[成果の内容・特徴]
- トルコギキョウの春出し作型において、2月より18時から22時を20度C、翌日7時までを10度C、7時から日没までを15度Cで管理すると(図1)、15度C一定管理に比べ開花がやや促進され、同等以上の切り花品質を確保することができる(表2、3)。
- これらの変温管理を実施すると、15度C一定管理に比べ、消費電力を約40%削減できる(表1)。
[成果の活用面・留意点]
- 本成果は10月に播種し、12月に定植して5〜6月出荷の作型で利用できる。
- 本成果は加温栽培を行うトルコギキョウ栽培で利用可能であるが、暖房機を時間帯に分けて温度管理できる調節装置が必要となる。
- 本成果は電気加温機を使用した場合の消費電力を比較したため、燃油等を使用する暖房機を使用した場合には開花時期や切り花品質が異なる可能性がある。
[具体的データ]




( 福島県)
[その他]
- 研究課題名
- 主要花きの省エネ栽培技術開発
- 予算区分
- 県単
- 研究期間
- 2008〜2010 年度
- 研究担当者
- 宗方宏之、鈴木宏和、山口繁雄