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カシスの省力的な収穫方法と優良品種の選定
[要約]
カシスの収穫方法は、房全体の黒粒割合が75%以上になった時に一斉収穫を行うと省力的である。また、品種「ボスクープジャイアント」、「サレック」は初期収量性が高く、糖度が高く、果汁色が良好で優良であり、収穫期の分散も可能である。
[キーワード]
カシス、収穫方法、省力、優良品種
[担当]
岩手県農業研究センター・技術部果樹研究室
[代表連絡先]
電話0197-68-4419
[区分]
東北農業・果樹
[分類]
研究成果情報
[背景・ねらい]
小果樹類は栽培方法が比較的容易であり、加工利用による6次産業化に取り組む経営体、企業も多い。
中でも、カシスは収穫作業に多大な労力がかかるなど課題も多いことから、収穫作業を改善するための収穫方法、品種について検討した。
[成果の内容・特徴]
- カシスの成熟は果皮色が黒くなるほど進み、糖度は成熟するほど高くなり、酸度は成熟度による大きな変化は見られない(表1)。
- 房全体の黒粒割合が75%以上の熟度で、糖度、酸度、果汁色の差は見られない(表1)。
- 果実の房全体の黒粒割合が75%以上になった時に一斉収穫を行うと、黒粒の選り収穫と比較し51〜74%の収穫時間となり、省力効果を得ることができる(表2)。
- 検討した4品種1系統の中で、初期収量性、糖度、抗酸化能、果汁色から判断すると、「ボスクープジャイアント」が優良である(表3)。
また、「サレック」は抗酸化能(ORAC値)が低いものの、初期収量性が高く、「ボスクープジャイアント」と収穫期ピークが異なる(図1)ため、収穫期の分散化を狙う上で有望である。
[成果の活用面・留意点]
- 収穫は、日当たりの悪い株の内部の果実の熟度が遅れる場合があるので、その際は株の外側と内側の2回に分けて行う。
- カシスは、スグリコスカシバ等枝幹害虫の加害により収量が著しく低下するので、被害枝を見つけ次第剪除し、被害拡大防止に努める。
[具体的データ]
(川守田真紀)
[その他]
- 研究課題名
- 国産小果樹類の新規市場開拓のための省力生産技術・加工品の開発
- 予算区分
- 外部資金(先端プロ)
- 研究期間
- 2012〜2014年度
- 研究担当者
- 小原繁、佐々木真人、及川耳呂、川守田真紀、浅川知則