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レッドカーランツの収穫時間が短縮できる省力的な樹形(第2報)

[要約]

レッドカーランツの樹形を3年生の主軸枝3本と2年生の主軸枝3本で構成した主軸枝6本樹形は、1a当たり100kg以上の果実を安定生産できる樹形である。また、慣行樹形と比べて収穫時間が50%削減でき、年間の労働時間が44%削減できる。

[キーワード]

レッドカーランツ、主軸枝6本樹形、収穫時間、省力、安定生産

[担当]

宮城県農業・園芸総合研究所・園芸栽培部・果樹チーム

[代表連絡先]

電話022-383-8132

[区分]

電話022-383-8132

[分類]

研究成果情報

[背景・ねらい]

レッドカーランツにおいて、既存の樹形に比べて収穫時間が3割軽減され、1a当たり収量が100s以上得られる樹形を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. 3年生の主軸枝が3本と2年生の主軸枝が3本で構成した主軸枝6本樹形は,1a当たり平均収量が163kgであり,安定して100kg以上得られる樹形である。また,栽培可能面積当たりの収量は慣行樹形よりも多い(図1)。
  2. 主軸枝6本樹形と慣行樹形の収穫時間はそれぞれ1a当たり26.8時間、53.7時間であり、主軸枝6本樹形は慣行樹形に比べて収穫時間が50%削減できる。また、年間の労働時間はそれぞれ33.3時間、59.4時間であり44%削減できる(表1)。
  3. 樹形の違いが果実の糖度および酸度に及ぼす影響はみられない(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. レッドカーランツは年間の労働時間に占める収穫時間の割合が大きいため、収穫期間である6月下旬から7月上旬に投入できる労働力を考慮して導入面積を決める必要がある。
  2. スグリ茎枯れ病が発生した場合には発生した主軸枝を地際から剪除する、もしくは病斑部と健全部の境界から5cm程度健全部側で切り取る。
  3. 耕種概要は下記のとおり。
    品種:不明(2014年7年生)
    栽培環境:雨よけハウス(通年被覆)
    栽植間隔:樹間1m×列間1.5m(66.7本/a植え)
    施肥:2012年4月にCDU果樹化成(15-6-12)1樹当たり100gを施用。
       2013年3月にCDU果樹化成(15-6-12)1樹当たり140g、6月に尿素26g施用。
    2014年3月にCDU果樹化成(15-6-12)1樹当たり100gを施用。
    灌水:タイマーによる自動灌水。1樹当たり1日に1L×1〜4回灌水した。
    収穫日:2012年6月27日〜7月9日、2013年6月26日、2014年6月17日。
    樹全体の着色が8割以上になってから収穫した。
  4. 関連する成果「レッドカーランツの収穫時間が短縮できる省力的な樹形」(東北農業試験研究推進会議成果情報2012年度)

[具体的データ]

(宮城県農業・園芸総合研究所)

[その他]

研究課題名
レッドカーランツおよびカシスの栽培技術の確立
予算区分
食料生産基地再生のための先端技術展開事業
研究期間
2012〜2014年度
研究担当者
柴田昌人、門間豊資、杉山結実子、池田裕章(宮城県病害虫防除所)