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ニホンナシ「秋泉」の収穫始期は満開40日後までの日平均気温から予測できる
[要約]
ニホンナシ「秋泉」の収穫始期は、満開日から満開40日後までの日平均気温の積算と相関が高いので、この期間の気温を用いた収穫予測式により、収穫始期を予測することができる。
[キーワード]
ニホンナシ、秋泉、満開後日数
[担当]
秋田果樹試・天王
[代表連絡先]
電話018-878-2251
[区分]
東北農業・果樹
[分類]
研究成果情報
[背景・ねらい]
秋田県オリジナルであるニホンナシ「秋泉」は、収穫期の果皮色の変化が少ないため、収穫適期の判断が難しい。そこで、大谷(2006)によるニホンナシの収穫期予測を基に、秋田県果樹試験場天王分場(以下、天王分場)における過去7か年の「秋泉」の満開日およびその後の気温経過と収穫始期までの日数から収穫予測式を作成し、その実用性を検討する。
[成果の内容・特徴]
- 満開日を基点とした満開25〜60日後までの日平均気温の積算(以下、積算気温)と収穫始期までの日数との相関を分析すると、相関係数は満開40日後までの積算気温と収穫始期までの日数で最も高い(図1)。
- 満開日から満開40日後までの積算気温と収穫始期までの日数には、r=-0.9486(0.01%水準で有意)の負の相関があり、回帰式Y=-0.1759X+269.2474(Yは満開日から収穫始期までの日数、Xは満開日から満開40日後までの積算気温)が得られる(図2)。
- 天王分場における過去7か年の満開日およびその後の気温経過から収穫始期までの日数を予測すると、実測値との誤差は最大3日であり、良く適合する(表1)。
[成果の活用面・留意点]
- 本成果は、砂丘未熟土に植栽された「秋泉」/マメナシ台を供試して得られた成果であり、他地域では実測値との予測誤差が大きくなる可能性がある。
[具体的データ]



(菅原哲平)
[その他]
- 研究課題名
- 秋田県オリジナルニホンナシ新品種「秋泉」の高品質果実安定生産技術の確立
- 予算区分
- 県単
- 研究期間
- 2010〜2014年
- 研究担当者
- 菅原哲平・長澤正士・橋 功