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籾米を利用した「うつくしまエゴマ豚」の生産

[要約]

トウモロコシ主体飼料の代わりに籾米配合飼料を肥育豚に給与しても、発育や枝肉成績、ロース肉のα-リノレン酸割合が従来と同等の「うつくしまエゴマ豚」が生産できる。

[キーワード]

肥育豚、籾米、エゴマ種実、α-リノレン酸

[担当]

福島県農業総合センター・畜産研究所・肉畜科

[代表連絡先]

電話024-593-1223

[区分]

東北農業・畜産飼料作

[分類]

普及成果情報

[背景・ねらい]

輸入飼料に依存しない安定した養豚経営を実現するため、飼料用米(玄米または籾米)を輸入トウモロコシの代替原料として利用することが期待されている。一方、福島県には、トウモロコシ主体の慣行配合飼料(トウモロコシ主体飼料)に、出荷前1ヶ月間エゴマ種実を3%添加給与して生産する銘柄豚「うつくしまエゴマ豚」がある。そこで、トウモロコシ主体飼料ではなく籾米配合飼料を用いた場合でも、従来と同等の「うつくしまエゴマ豚」が生産できるのかを明らかにするため、エゴマ種実を3%添加した籾米配合飼料の給与が、肥育豚の発育や枝肉成績、ロース肉の脂肪酸組成に及ぼす影響を検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 慣行区とエゴマ区にはトウモロコシ主体飼料を、籾米区と籾米エゴマ区には籾米配合飼料を給与し、さらにエゴマ区と籾米エゴマ区については出荷前1ヶ月間にエゴマ種実を添加する(表1)。
  2. 一日増体量は試験区間に差はなく、いずれも1.0kg以上と良好である(表2)。
  3. 枝肉ならびに肉質成績のいずれの項目も、エゴマ添加籾米配合飼料の給与の影響はない(表2表3)。
  4. ロース肉のα-リノレン酸割合は、エゴマ区と籾米エゴマ区ともに高くなる(図1

[普及のための参考情報]

  1. 普及対象:「うつくしまエゴマ豚」生産農家ならびに関係団体
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:福島県内全域

[具体的データ]

(福島県)

[その他]

研究課題名
粉砕籾米等飼料用米を活用した肥育豚の飼養管理技術の開発
予算区分
委託プロ(国産飼料)
研究期間
2010〜2014年度
研究担当者
京谷隆侍、若井菜の子、門屋義勝、佐藤亮一
発表論文等
京谷ら(2014)日豚会誌、51(4):191-197