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会津地鶏の産肉能力を維持する種鶏更新
[要約]
県産銘柄鶏「会津地鶏」の種鶏である大型会津地鶏の後継系統を造成し、現行系統と後継系統の種鶏性能および両系統より作出する「現会津地鶏」と「新会津地鶏」の産肉能力および肉質が同水準であることが確認できたため、種鶏を更新する。
[キーワード]
会津地鶏、大型会津地鶏、近交退化、種鶏更新、産肉能力
[担当]
福島県農業総合センター・畜産研究所・養鶏分場
[代表連絡先]
電話024-932-1678
[区分]
東北農業・畜産飼料作
[分類]
普及成果情報
[背景・ねらい]
県産銘柄鶏「会津地鶏」の雄系種鶏である大型会津地鶏は、造成開始から24年が経過し近交退化が懸念されている。そこで、2008年より後継系統の造成を開始している。現行系統と後継系統の種鶏性能および両系統より作出する実用鶏(図1左)「現会津地鶏」と「新会津地鶏」の産肉能力および肉質を調査し、種鶏更新可能か判定する。
[成果の内容・特徴]
- 「大型会津地鶏」現行系統は、福島県固有品種である「会津地鶏(純系)」雄へ「ホワイトプリマスロック種」雌を交配し大型に改良した種鶏である。後継系統は、現行系統雄へ「会津地鶏(純系)」と「ホワイトプリマスロック種」の雑種(F1)雌を交配し造成を開始している(図1右)。
- 種鶏体重は、2012年で後継系統が現行系統を上回り、後継系統は、2010年と比較して、雄で250g、雌で190g増体している(表1)。産卵率(25〜37週齢)は、ヘテローシス効果および増体重視の選抜により、2010年66%に対し、2011年および2012年は62%へ低下している(P<0.01)。
- 実用鶏の産肉能力調査結果は、出荷目安日齢(119日齢体重)で、雄は「現会津地鶏」と「新会津地鶏」で同等である。雌は「新会津地鶏」が「現会津地鶏」を上回る。飼料利用性および解体調査結果は、「現会津地鶏」と「新会津地鶏」で同等である(表2)。
- モモ肉を用いた実用鶏の肉質調査結果は、「現会津地鶏」と「新会津地鶏」で同等である(表3)。
- 以上の結果より、「大型会津地鶏」現行系統と後継系統の種鶏性能、実用鶏「現会津地鶏」と「新会津地鶏」の産肉能力および肉質が同水準であることが確認できたため、種鶏を更新する。
[成果の活用面・留意点]
- 普及対象:会津地鶏生産者団体、会津地鶏飼養農家
- 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:福島県会津地方
- その他:会津地鶏種鶏場より飼養管理マニュアル更新の要請あり
[具体的データ]




(福島県)
[その他]
- 研究課題名
- 県産銘柄鶏の改良と開発
- 予算区分
- 県単
- 研究期間
- 2008〜2014年度
- 研究担当者
- 佐藤妙子、荒川英恵、佐藤良江、大矢浩司、齋藤美緒、佐藤茂次、国分洋一、籠橋太史