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乾燥エゴマおよび焙煎エゴマの酸化を抑制できる保存条件
[要約]
乾燥エゴマを保存する場合は包装の素材に関わらず15度C以下で保存することにより、また、焙煎エゴマを保存する場合は温度に関わらずガスバリア性のある包装で保存することにより、酸価と過酸化物価の上昇を抑制できる。
[キーワード]
エゴマ、酸化、酸価、過酸化物価
[担当]
福島県農業総合センター・流通加工科
[代表連絡先]
電話024-958-1719
[区分]
東北農業・農業生産基盤(流通加工)
[分類]
普及成果情報
[背景・ねらい]
エゴマにはn-3系脂肪酸であるα-リノレン酸が多く含まれており、その機能性が期待されているが、不飽和脂肪酸であるために酸化による品質劣化が早く、品質保持には酸化抑制が重要である。我々は平成22年度の成果情報において「エゴマ加工品の酸化抑制法」を報告しているが、本試験では、収穫後に乾燥したエゴマおよび焙煎したエゴマを保存する際の酸化抑制条件について明らかにする。
[成果の内容・特徴]
- ガスバリア袋(PE,PET,ALの5層フィルム)を用いて乾燥エゴマ(黒エゴマ、水分約5%、以下同様)を保存した場合、酸価は15度C以上で上昇し、保存温度が高くなると上昇率が大きくなる(図1)。一方、焙煎エゴマにおいては35度C保存においても酸価に変化は無い(表1)。また、過酸化物価については乾燥エゴマと焙煎エゴマのいずれにおいても、保存温度に関わらず、6ヶ月後でも大きな変化は無い(表1)。
- 紙袋を用いて焙煎エゴマを保存した場合、過酸化物価はいずれの保存温度においても保存開始後から上昇し、保存温度が高いほど上昇率が高い(図2)。一方、乾燥エゴマにおいては保存温度が高くなると過酸化物価がやや上昇する傾向があるが、35度C保存でも過酸化物価は大きく変わらない(表1)。また、酸価については乾燥エゴマと焙煎エゴマのいずれにおいても、保存温度に関わらず、6ヶ月後においても大きな変化は無い(表1)。
- 乾燥エゴマのリパーゼ活性は、5、10、15度Cでは確認されないが、20度C以上で活性が確認され、30度C以上ではより活性が強くなる(図3,表1)。また、焙煎したエゴマではいずれの温度でもリパーゼ活性は確認されない(表1)。
[普及のための参考情報]
- 普及対象:エゴマ生産者、エゴマ加工業者
- 普及予定地域 : 国内のエゴマ生産地域150.3 ha(福島県49.6ha) ※2007年農水省調べ
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[具体的データ]
(福島県)
[その他]
- 研究課題名
- 地域産業6次化推進のための県産農産物の加工技術
- 予算区分
- 県単
- 研究期間
- 2011〜2014年度
- 研究担当者
- 関澤春仁