研究所トップ≫研究成果情報≫平成26年度
震災復興を後押しする6次化商品の開発と販売戦略の構築
[要約]
東日本大震災による津波被害地域において、今後FOEASの導入予定があり、既存の6次化商品(乾麺うどん)がある条件では、既存商品の特長を補完する位置づけとなる新商品を開発することによって、今後の震災復興を後押しする販売戦略が得られる。
[キーワード]
販売戦略、商品開発、地元産小麦、うどん
[担当]
企画経営部 経営・農作業科
[代表連絡先]
024-958-1714
[研究所名]
福島県農業総合センター
[分類]
研究成果情報
[背景・ねらい]
東日本大震災における津波被害地域においては、農地の再整備とあわせて新たな生産方式を導入し6次産業化を進め、雇用の受け皿となる高収益農業を早急に実現する必要がある。そのため、既存の乾麺うどん商品がある津波被害地域でFOEAS(地下水位制御システム)が導入され、小麦の本格的な栽培が可能となることを前提とした「うどん」の新商品開発を視野に、商品開発コンセプトを定め、固定客の獲得を重視する商品開発を支援する。また、販売チャネルを多角化できる販売戦略を得る。
[成果の内容・特徴]
「うどん」の一般的な嗜好基準+既存商品の特長を再確認+既存商品を通した販売上の課題→商品開発コンセプト→試作品の製造と改良⇔試作品の評価→改良試作品の特長と評価の確認+半生麺の制約→既存商品を活かした新商品の販売戦略が得られる。
- うどんに関する消費者調査(インターネット調査)、既存乾麺商品の評価(試食アンケート調査)及び既存乾麺を扱うバイヤー調査(アンケート調査)により、「コシ」及び「ある程度の太さ」を持ち、地元産小麦の訴求を全面に打ち出した半生麺という新商品の開発コンセプトが得られた。
- 半生麺の試作品を作成し、ホームユーステストの結果から改良を行った結果、既存乾麺商品と特長が異なる半生麺商品を開発した。
- 既存商品に従来より使用していた、地域の伝統行事や古社をモチーフにした商品イメージは概ね支持された。さらに、震災の復興関連情報を追加することは商品イメージを更に向上する可能性が見られた。
- 既存乾麺と新商品半生麺の2商品は互いを補完し合うべく「乾麺:細麺でのどごしがよい」、「半生麺:太さとコシ」といった特長をそれぞれ持ち、これまでの乾麺の販売圏を活用しつつ小麦収量の増加に伴い販売チャネルを多角化していく販売戦略を策定した。(図)
[普及のための参考情報]
- 普及対象:東日本大震災津波被害地域(福島県)で6次産業化に取り組んでいる農業者
- 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:福島県浜通り津波被害地域
[具体的データ]

[その他]
- 中課題名
- 「FOEAS」を活用した津波被害地域農業生産システムの高度化
- 中課題名
- 予算区分
- 委託(イノベーション創出基礎的研究推進事業)(2012〜2013年度)
- 委託(農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業)(2014年度)
- 研究期間
- 2012〜2014年度
- 研究担当者
- 富永哲
- 発表論文等
- なし