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青森県水稲品種「青天の霹靂」の食味を重視した栽培法
[要約]
青森県の水稲品種「青天の霹靂」の栽培では、目標の平方メートル当たり籾数を28,000粒程度とし、幼穂形成期の生育指標を参考に追肥を行うことで、玄米タンパク質含有率7.0%(乾物換算)以下で、県の目標収量54kg/aとなる良食味米が生産できる。
[キーワード]
水稲、青天の霹靂、食味、栽培法、生育指標
[担当]
青森県産業技術センター・農林総合研究所・作物部
[代表連絡先]
電話0172-53-4396
[区分]
東北農業・稲(稲栽培)
[分類]
普及成果情報
[背景・ねらい]
青森県のブランド米として期待されている水稲品種「青天の霹靂」は、極良食味品種として2014年に認定品種に指定され、2015年より一般作付けが始まる。そこで、「青天の霹靂」の食味能力を十分に発揮させるため、食味を重視した栽培法を確立し、生産現場の技術支援を行う。
[成果の内容・特徴]
- 玄米タンパク質含有率7.0%(乾物換算)以下で、青森県の収量目標54kg/aとなる平方メートル当たり籾数は28,000粒程度である(図1)。目標となる籾数が少ないため、窒素施肥総量は「つがるロマン」より0.1kg/a程度減じ、その70〜80%を基肥量とする。
- 幼穂形成期の生育指標(草丈×平方メートル当たり茎数×葉色値)が95万未満であれば、幼穂形成期に0.2kg/aを上限に追肥を行うと、平方メートル当たり籾数が28,000粒程度となる。また、129万以上の場合は、追肥を中止する(図2)。
- 追肥時期が幼穂形成期より遅れると、玄米タンパク質含有率が高くなるので、幼穂形成期以降の追肥は行わない(図3)。
- 刈取始期は、青米歩合15%以下で、登熟歩合の増加が横ばいとなる出穂後積算気温900度Cとする。また、出穂後積算気温1,200度Cになると、炊飯米が硬くなり、食味総合評価を下げる恐れがあるので、刈取終期は出穂後積算気温1,100度Cとする(図4)。
[普及のための参考情報]
- 普及対象:青森県の「青天の霹靂」作付け地域で、特に良食味生産が可能な水田及び生産者
- 普及予定地域:青森県の「津軽中央地域」、「津軽西北地域」「津軽東青地域」(いずれも山間冷涼地帯を除く)。普及面積は550ha(2015年)。
- その他:青森県の栽培基準は以下のとおりである。
- 土壌診断に基づく土壌改良を行う。
- 農薬使用回数(成分)は通常の1/2以内とする。
- 種子の更新は必ず行う。
- 栽培管理記録を記帳する。
[具体的データ]




(青森県)
[その他]
- 研究課題名
- あおもり米新品種「特A」プロジェクト事業
- 予算区分
- 県交付金
- 研究期間
- 2013〜2014年
- 研究担当者
- 工藤予志夫、石岡将樹、木村利行