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9月下旬に収穫できる白毛の晩生エダマメ新品種「秋農試40号」
[要約]
「秋農試40号」は、秋田県産エダマメ端境期の9月下旬に収穫できる晩生新品種である。毛じが白色で、莢外観が良く、香りがある。
[キーワード]
エダマメ、端境期、白毛、晩生、秋農試40号
[担当]
秋田農試・野菜・花き部・園芸育種・種苗担当
[代表連絡先]
電話018-881-3330
[区分]
東北農業・野菜花き(野菜)
[分類]
普及成果情報
[背景・ねらい]
秋田県内の生産者、指導機関等から、白毛の長期継続出荷を実現するため、民間種苗会社の「錦秋」前後の端境期を埋める品種を求められた。そこで、「錦秋」の前に収穫できる「あきたさやか」(2009年)を育成した。
次の段階として、「錦秋」の後の端境期に収穫できる晩生品種の育成を図る。
[成果の内容・特徴]
- 「秋農試40号」は、2001年に県内在来大豆の「AG209」(種皮色緑、晩生)を種子親、「AG306」(種皮色茶、中生)を花粉親として交配し、本県の気象条件の下で栽培、選抜、育成した品種である(図1)。
- 6月10日播種時の収穫日は9月21日で、「錦秋」と「秘伝」の間に収穫できる。主茎長は「錦秋」より長く、「秘伝」より短い。種皮色は緑、花色は紫、小葉は3枚である。若莢の大きさは「錦秋」、「秘伝」に比べて小さく、「あきた香り五葉」に比べて、長さは同程度で幅はやや広い(表1)。
- 可販莢収量は「錦秋」、「秘伝」に比べてやや少なく、「あきた香り五葉」と同程度である。毛じは白色で、莢の外観が良く、香りがある(表2)。
- 播種適期は6月5日〜20日で、収穫適期は9月20日〜30日であるため、県産エダマメの端境期を埋めることができる。本品種と「あきたさやか」、民間種苗会社の品種を組み合わせることにより、白毛品種の長期継続出荷が可能である(図2)。
[普及のための参考情報]
- 普及対象:秋田県内のエダマメ生産者。
- 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:
普及予定地域は県内全域。種子の供給は秋田県内に限定しており、2014年は19haに作付けされている。今後、県内主要品種と同程度の50haに普及見込み。
- その他
(1) 2011年、県内5振興局管内で試験的栽培を実施した。普及性評価は、A(普及性が高い)〜B(普及性がある)で、「端境期を埋めるのに有効」との意見が多かった。
[具体的データ]




(秋田県農業試験場)
[その他]
- 研究課題名
- 秋田ブランド野菜の産地拡大・強化を目指したオリジナル品種の育成
- 予算区分
- 県単
- 研究期間
- 2001〜2011年度
- 研究担当者
- 佐藤友博、檜森靖則、椿信一
- 発表論文等
- 「秋農試40号」品種登録 2014年5月16日(第26669号)