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収量性が高いタラノキ新品種「最上A2号」の育成
[要約]
タラノキ新品種「最上A2号」は主茎が長く、収穫物である促成芽が重いため収量性が高い。促成芽の品質は葉鞘の赤色と葉柄のトゲがいずれも少なく良好である。
[キーワード]
タラノメ、タラノキ、新品種、促成栽培、最上A2号
[担当]
山形県最上総合支庁産業経済部農業技術普及課・産地研究室
[代表連絡先]
電話0233-22-2201
[区分]
東北農業・野菜花き(野菜)
[分類]
普及成果情報
[背景・ねらい]
山形県の主力山菜であるタラノメの生産では、収穫物である促成芽の品質に優れる「蔵王系」が主に栽培されてきたが、近年、収量、作付面積共に減少していることから生産量が年々低下している。そこで、収量性の高いタラノキのオリジナル新品種を開発する。
[成果の内容・特徴]
- 2006年に、最上町現地圃場の「蔵王系」自然交雑実生を採種し、獲得した個体から、穂木養成時の草勢が強く、促成収量と品質に優れた系統を選抜した。また、栄養繁殖(根伏せ法)により世代を更新させ、その形質が安定的に発現することを確認し、2014年に品種登録出願を行い、同年12月4日に公表された(表1)。
- 「最上A2号」は「蔵王系」よりも、主茎が長く、節が多い(表2)。
- 「最上A2号」は「蔵王系」よりも、1本の穂木から促成可能な芽が多く、促成芽が重いため、収量性が高い(表3)。
- 「最上A2号」の促成芽の品質は、葉鞘の赤色と葉柄のトゲがいずれも少なく、「蔵王系」よりも優れる(表3、図1)。
[普及のための参考情報]
- 普及対象:山形県内の生産者
- 普及予定地域:本品種の種苗供給は、当面山形県内のみとする。
- その他:2013年度に実需者(料理店、山形県内5店舗(和食3、洋食2)、首都圏1店舗(洋食))を対象に食味調査を行った結果、「最上A2号」の食味は、「蔵王系」と比較して同等〜良いとの評価を受けた。
[具体的データ]




(山形県)
[その他]
- 研究課題名
- 山菜オリジナル品種の開発と生産技術の確立
- 予算区分
- 県単
- 研究期間
- 2006〜2014年度
- 研究担当者
- 浪波史子、岡部和広
- 発表論文等
- 山形県「最上A2号」品種登録出願公表 2014年12月4日(第29412号)