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砂丘地における春定植夏どりタマネギに適した施肥法
[要約]
砂丘地における春定植夏どりタマネギにおいては、速効性肥料使用の場合、基肥と2回分の追肥を定植20日後1回にまとめて施用すると、同等以上の収量が得られる。リン酸が一定以上含まれる圃場では、リン酸を基肥施用分のみとして約50%に減肥できる。
[キーワード]
タマネギ、春定植夏どり栽培、施肥法、追肥回数、リン酸施用量
[担当]
山形県庄内総合支庁農業技術普及課・産地研究室
[代表連絡先]
電話0234-91-1250
[区分]
東北農業・野菜花き(野菜)
[分類]
研究成果情報
[背景・ねらい]
東北における新作型である春定植夏どりでは、速効性肥料を使用し、秋まき作型の施肥体系(基肥+追肥2回)を参考にした施肥体系(基肥+追肥2回、以下追肥2回体系)で栽培しているが、従来の秋まき作型に比べて栽培期間が短いため、追肥作業や施肥量を軽減できると考えられる。そこで、春定植夏どり作型に適した施肥法を開発する。
[成果の内容・特徴]
- 基肥には追肥2回体系と同量の速効性肥料を施用し、追肥は2回分の量を定植20日後に1回にまとめて施用することにより追肥2回体系と同等の草丈となり、同等以上の商品収量が得られる(図1、表1)。
- 作付前土壌の可給態リン酸(トルオーグ法)が40mg/100mg(P2O5)以上の場合は、リン酸は基肥での施用分のみとし、追肥としては窒素とカリウムのみを施用しても、追肥2回体系と同等の草丈、商品収量となる。この場合、リン酸の施用量は追肥2回体系の約50%に減肥できる。(表2)。
[成果の活用面・留意点]
- この作型の適応地域は、3月下旬までに融雪し、圃場準備ができる地域とする。
- 土壌pHが6.0以下の場合、生育停滞が懸念されるため、作付前にpHを測定し、低い場合には、石灰資材による土壌改良を行う。
- 砂丘畑では、初期生育を確保し、茎葉を旺盛にし球肥大を進めるため、灌水可能な圃場での栽培に限る。
- 本成果情報は、「もみじ3号」の結果であるが、「TTA735」、「オホーツク222」においても同様の傾向が見られた(データ略)。
- 追肥2回体系の施肥量は、基肥7−21−7(N-P2O5-K2O:kg/10a)+追肥4‐10‐4(N-P2O5-K2O:kg/10a)×2回とし、合計で15−41−15(N-P2O5-K2O:kg/10a)となる。
[具体的データ]
(山形県)
[その他]
- 研究課題名
- 東北・北陸地域における新作型開発によるタマネギの端境期生産体系の確立
- 予算区分
- 受託(農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業実用技術開発ステージ)
- 研究期間
- 2012〜2014年度
- 研究担当者
- 山崎紀子、伊藤聡子
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