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リンドウ切り花を増収できる10本仕立て全茎収穫法
[要約]
10本仕立て全茎収穫法は、萌芽後に茎を1株当たり10本に仕立て、収穫時に茎を地上から30cm残して全茎を折り取る。この方法は草勢の低下が見られず、慣行法に比べ収量が1.5〜2倍程度となり、特に切り花長50〜60cm着花3段以上の収量増加が顕著である。
[キーワード]
リンドウ、仕立て、全茎収穫、収量
[担当]
山形県農業総合研究センター園芸試験場・野菜花き部
[代表連絡先]
電話0237-84-4125
[区分]
東北農業・野菜花き(花き)
[分類]
普及成果情報
[背景・ねらい]
近年、実需者からの要望が高まっている仏花用の花束加工向けリンドウ(特に、切り花長50〜60cm、着花3段以上)の効率的な生産を目指し、株の草勢を維持しながら切り花収量を増加できる多収栽培技術を開発する。
[成果の内容・特徴]
- 10本仕立て全茎収穫法(以下、本法)は、萌芽後の草丈20〜30cmの立茎整理作業時に生育の良い茎を10本/株に整理し、開花に応じて茎を地上から30cm残して折り取り、全茎を収穫する方法である(図1)。
- 本法は12本仕立て10本収穫および慣行の7本仕立て5本収穫(以下、慣行法)と比べて、商品花収量が多くなる(表1)。
- 本法は慣行法と比べて、翌春の萌芽茎数に差はなく、商品花収量が多いことから、連年実施による草勢の低下は見られない(表2)。
- 本法の商品花収量は、慣行法と比べて1.5〜2倍程度に増加し、特に花束加工向けに適する切り花長50〜60cm・3段以上は1.5〜3倍程度に増加する(表3)。
[普及のための参考情報]
- 普及対象:リンドウ生産者
- 普及予定地域:全国リンドウ生産地域
- 本試験は、春の萌芽茎数が15本/株以上、収穫時の草丈が120cm以上の株を供試した結果である。
- 本法の立茎整理作業時間は、慣行法と比べてほぼ同等であり、作業時間は萌芽茎数の多少により変動する(表2)。
- 本法は残す開花茎を選ぶ必要がなく、一定の高さで折り取るため収穫作業が平易である。
- 全茎収穫が越冬芽形成に及ぼす影響、残茎および切り下茎の光合成能については、矢島豊ら「採花後の残茎管理がリンドウの生育と開花に及ぼす影響」(東北農業研究65.2012)を参照する。
[具体的データ]




(山形県)
[その他]
- 研究課題名
- りんどう収量倍増生産技術の開発
- 予算区分
- 県単
- 研究期間
- 2012〜2014年度
- 研究担当者
- 佐藤貴裕、西村林太郎、酒井友幸、工藤昌樹