- [要約]
- 「イチバンボシ」は「キカイハダカ」に比較して早熟、良質、多収であるところから、「キカイハダカ」にかえて奨励品種に採用した。
兵庫県立中央農業技術センター・農業試験場・作物部
[連絡先]0790-47-1117
[部会名]作物生産
[専 門]育種
[対 象]麦類
[分 類]普及
- [背景・ねらい]
- 本県の裸麦奨励品種は現在「キカイハダカ」であるが、湿害等による減収のため、作付は減少し、現在18haにまで減少している(平成 7年)。一方、裸麦の成熟期は5月下旬〜6月上旬と、小麦に比べて早熟であるため、水稲の移植期までに時間的余裕が生まれ、その点では、水稲裏作として小麦より有利である。
- 水田冬作の土地利用型作物の選択肢を増やすためにも、良質多収で、栽培特性のよい裸麦品種の普及が望まれている。
[成果の内容・特徴]
- 「キカイハダカ」に比べて出穂期で10日程度、成熟期で3日程度早い早生種である(表1、2)。
- 稈長はやや短く、穂長はやや長い。また、穂数はごく多い(表1)。
- 倒伏にはやや弱く、赤かび病抵抗性は中程度である。収量は高く、品質も良い(表1、2)。
[成果の活用面・留意点]
- 県下全域の平坦部の排水良好地に適する。
- 葉色が濃く、生育が旺盛であるが、湿害には強くないので、栽培にあたってはほ場の排水に留意する。また、耐倒伏性はあまり強くないので、極端な多肥は避ける。
- うどんこ病、赤かび病の適期防除に留意する。
[その他]
研究課題名:麦奨励品種決定調査
予算区分 :国庫補助
研究期間 :平成 8年度(平成 2〜 7年)
研究担当者:澤田富雄、田中萬紀穂、来田康夫、曳野亥三夫
発表論文等:平成 8年 2月15日奨励品種審査会で採用
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