- [要約]
- 「あきろまん」の収穫適期は、青味籾率が4〜7%の時期である。その時期は、出穂後積算平均気温で 970〜1000℃、出穂後日数で43〜47日である。
広島県立農業技術センター・作物研究部
[連絡先]0824-29-0521
[部会名]作物生産
[専 門]栽培
[対 象]稲類
[分 類]指導
- [背景・ねらい]
- 本県育成の「あきろまん」は、良質・良食味品種として評価が高く、「中生新千本」 に代えて栽培が急増している。本品種は一穂籾数が多いことから籾の黄化の進行が緩慢であるため、収穫適期の判定が「中生新千本」と比べて難しく、収穫時期判定のめやす策定についての要望が強い。そこで、収穫時期と収量、品質の関係を平成7年、8年の2ヵ年調査し、良質安定生産のための収穫適期を明らかにした。
[成果の内容・特徴]
- 収量が最も高くなるのは、登熟歩合及び千粒重の上昇が緩やかになり、ほぼピ−クを迎える時期以降で、青味籾率7%以下、出穂後日数43日以降、出穂後積算平均気温 966 ℃以上の時期である(図1、2)。
- 検査等級が最も良くなるのは、整粒歩合が高くなる時期で、平成7年は、青味籾率4 〜10%、出穂後日数43〜47日、出穂後積算平均気温935 〜1004℃である。平成8年は、青味籾率3〜7%、出穂後日数43〜48日、出穂後積算平均気温966 〜1051℃の時期である(図1、2、3)。
- 整粒歩合は、青未熟米、茶米、胴割れ米の発生程度に大きく影響されており、2ヵ年とも青未熟粒率、茶米粒率と胴割粒率の合計値がほぼ最小となる時期が最も高い(図3)。
- 以上の結果、「あきろまん」の収穫適期は、収量と外観品質(検査等級)から、青味籾率が4〜7%の時期で、「中生新千本」とほぼ同じである。その時期は出穂後積算平均気温で 970〜1000℃、出穂後日数で43〜47日である。
[成果の活用面・留意点]
- 「あきろまん」の栽培指導の基礎資料として利用できる。
- 収穫適期判定の指標となる出穂後日数は、栽培地域、気象条件等によって変動するので注意する。
[その他]
研究課題名:奨励品種決定調査
予算区分 :国庫補助
研究期間 :平成8年度(平成7〜8年度)
研究担当者:浦野光一郎
発表論文等:なし
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