- [要約]
- 8月中旬〜9月初旬定植のブロッコリーの機械移植栽培では、128穴セルトレイを利用した4週間育苗のセル成型苗が植付け不良率が低く、収穫株率が高くなり収穫量が多くなる。
奈良県農業試験場・栽培技術担当・施設軽作業化チーム
[連絡先]07442-2-6201
[部会名]作物生産(機械・施設)
[専 門]作業
[対 象]花菜類
[分 類]指導
- [背景・ねらい]
- 露地の土地利用型野菜では担い手の減少と高齢化が進みつつあり、省力的な作業体系が求められている。そこでセル成型苗利用による、8月中〜9月初旬定植のブロッコリー(品種:ハイツ)の機械移植栽培について育苗適期苗の育成条件を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
- 本葉の枚数および根鉢の形成程度は、育苗期間が長い5週間(5Wと省略、以下同じ)育苗が優れ、4週間(4W)育苗,3週間(3W)育苗の順となった表1。
- セルトレイの比較では、128穴と200穴では差が認められない。
- 移植の精度は3W育苗、4W育苗が優れ、5W育苗(128穴)では悪くなる。しかし5W育苗でも、200穴育苗では、移植の精度は低下しない(図1)。
- 移植後の枯死株率は、5W育苗が1番低く、続いて4W育苗であり、3W育苗ではかなり高くなる(図2)。
- 収穫株率は、5W育苗が高く、4W育苗、3W育苗ではやや低くなる。セルトレイの比較では、200穴より128穴の方が、収穫株率が高くなる(図3)。
- 収穫量は、128穴セルトレイの4週間苗が1番多く、続いて128穴5週間苗となる(図4)。
[成果の活用面・留意点]
- 品種、育苗の時期及び方法等の違いにより、育苗適期苗が異なることがある。
[その他]
研究課題名:野菜、花卉の機械化作業体系の開発
予算区分 :県単
研究期間 :平成8年度(平成7〜9年)
研究担当者:角山正吉、吉村昭信
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