- [要約]
- エダマメ用黒大豆「紫ずきん」の粒色は成熟するに従って変化するが、食味調査の結果、粒の一部が赤紫色になった時に食味評価が最も高くなる。この時期が収穫適期と考えられ、これは莢厚が12〜13o程度の時である。
京都府農業総合研究所・作物部
[連絡先] 0771−22−5010
[部会名] 野菜・花き(野菜)
[専門] 栽培
[対象] 果菜類
[分類] 普及
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[背景・ねらい]
- 京都府特産の黒大豆エダマメ「紫ずきん」の生産販売の本格化に伴い、品質のそろったより良食味の商品を出荷することが求められており、収穫適期の判定基準を検討する。
[成果の内容・特徴]
- 「紫ずきん」の2粒莢は、9月中旬頃に6p程度まで縦伸長し(図1)、その後莢厚は5日間で約1oずつ14o程度まで肥大を続ける(表1)。
- 粒色は9月下旬以降、緑色から、やや黄色、一部が赤紫色、全体が薄赤紫色、そして全体が濃赤紫色へと変化する(図1、表1)。
- 食味は粒色ごとに収穫し10分間ゆでて調査した結果、粒の一部が赤紫色になった時に収穫したものが食味、外観、総合評価が最も高くなる傾向がみられる(図2)。
- 粒の一部が赤紫色になった時の莢厚は12.7〜13.7oである(表1)。
- 以上のことから、「紫ずきん」の収穫適期は粒色と莢厚で判断でき、粒色は粒の一部が赤紫色になった時であり、現場での適応性を考慮した莢厚は12〜13o程度になった時である。
[成果の活用面・留意点]
- 同一株内でも莢の熟度にバラツキがあるため、成熟が早い莢(株の中段あたり)をむいて粒色で判断する。
- 収穫適期幅は約6日と短期間であるため、生産現場で応用する場合、莢厚が12o以上になった頃から収穫を開始し、粒全体が薄赤紫色になるまでに収穫を終える。
- ゆで方は、あらかじめ塩でよくもんだ「紫ずきん」を沸騰したお湯に入れ、10分程度ゆでるとよいが、熟度が進むにつれてやや長くする方がよい。
[その他]
研究課題名 : 黒大豆エダマメの作期拡大
黒大豆エダマメの安定多収・高品質栽培技術の確立
予算区分 : 府単
研究期間 : 平成10年度(平成6〜11年)
研究担当者 : 岩本孝幸
発表論文等 : なし
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