種子のふるい分けによる大阪しろなの均一化栽培技術


[要約]
大阪しろなの種子を粒径別にふるい分けし、分別割合の最も多い中粒種子のみを用いて栽培すれば、収穫期の生育を均一に揃えることができる。
大阪府立農林技術センター・企画部・開発普及課
[連絡先] 0729-58-6551
[部会名] 野菜・花き(野菜)
[専門]    栽培
[対象]    葉茎菜類
[分類]    普及

[背景・ねらい]
 大阪府内の大阪しろなの栽培において、収穫・調製作業が全労働時間の約60%を占めており、多大な労力がかかっている。とりわけ収穫時に生育が不揃いな状況では、結束する調製作業にかなりの手間が必要となる。さらに、生産者が女性化・高齢化している現状では、収穫・調製作業を省力化することが大阪しろなの生産振興をはかる上で重要な課題となっている。
 そこで、大阪しろなの収穫期における生育の不揃いを極力小さくするとともに、個別農家が簡単に取り組める技術として、種子のふるい分けによる均一化栽培技術を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. 大阪しろな(品種:なにわ菜)の種子を粒径別に大粒(1.7mm以上)、中粒(1.4〜1.7mm)、小粒(1.4mm以下)にふるい分けすると、重量比でそれぞれ7.4%、80.2%、12.1%に分別される。また、大粒、中粒、小粒についての発芽率はそれぞれ99%、94%、87%であり、栽培上問題がない(表1)。
  2. 種子が大きいほど株重が大きく、草丈が長く、展開葉数が多く、生育が優れる傾向を示す。また、いずれの項目においても中粒種子の変動係数が最も小さく、株揃いが良い(図1)。
  3. 以上から、分別割合が最も多い中粒種子のみを用いて栽培すれば、大阪しろなの収穫期の生育を均一に揃えることができる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 大阪しろな以外にも、こまつな等のアブラナ科軟弱野菜類への活用が考えられる。
  2. 機械化一斉収穫および機械調製を視野に入れた技術として活用できる。

[その他]
研究課題名 : 中山間地域における野菜等の多品目少量生産流通技術
予算区分    : 地域基幹
研究期間    : 平成10年度(平成9〜13年)
研究担当者 : 山崎基嘉、辻 博美
発表論文等 : なし
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