農村景観修景利用を想定した農村景観画像データベースのキーワード体系


[要約]
農村景観修景を効率的に行うために風景要素を表すキーワード体系を作り、山口県内の農村景観画象(約 3,000 枚)にこのキーワードを付けた画像データベースを構築した。また、この農村景観画像ファイルを用いた農村景観の修景方法についてマニュアルを作成した。
山口県農業試験場・企画情報室・農村計画グループ
[連絡先] 083-927-0211
[部会名] 営農(情報研究)、営農
[専 門] 情報処理
[対 象] 
[分 類] 普及

[背景・ねらい]
 傾斜地水田の耕作放棄や荒廃が進むのに伴い、国民的原風景ともいうべき山村景観を美しく保全することが、国土政策としても重視されるようになった。また、土地改良等の整備事業においても、風景との調和を図ることを念頭にいれた圃場・施設整備という考え方が一般化しつつある。こうした景観保全のための修景手法は、実用段階までには至っていないが、農村での生活環境整備を支援する普及事業には、必要となってきている。
 そこでパーソナルコンピュータを応用し、普及事業で利用可能な農村景観画像のデータベース化と修景方法のマニュアル化を行う。

[成果の内容・特徴]

  1. JPEG形式でデジタル保存し、農村景観修景の素材として蓄積した画像は、「中山間農業振興実用化研究」(平成2〜5年)の一環で撮影した農村景観画像(約2,000枚)と新規に景観作物を中心に収集した画像(約1,000枚)である。
  2. 蓄積した画像を用いて農村景観修景を効率的に行うために画像に含まれる風景要素を表すキーワード体系を整理した。風景要素は、大分類として「人工物」と「自然物」の二つに分け、中分類で「農業関係」、「風物」、「構築物」、「小物」に分けた。この分類によるキーワードは105個である(表1)。
  3. 農村景観画像データベースは、必要な素材の画像ファイルを検索するために設定した「キーワード」を付け、表計算ソフト(EXCEL)のファイル形式で作成した。なお、代表的なキーワードの登録画像数は、集落が719、棚田が874である(表2)。
  4. 農村景観画像データベースの利用者は、農村景観修景に必要な素材を効率的に検索しながら修景作業を行うことが可能となる。そこでパーソナルコンピュータ用フォトレタッチソフトによる農村景観修景手法と農村景観画像データベースの活用方法のマニュアルを作成した。

[成果の活用面・留意点]

     本県普及事業を対象としている。

[その他]
研究課題名:コンピュータグラフィックスによる中山間景観保全管理型土地利用モデルの策定
予算区分 :民間支援
研究期間 :平成11年度(平成7〜11年度)
研究担当者:斉藤昌彦、吉山英明
発表論文等:農村景観画像修景マニュアル(2000年3月)

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