ウメ「南高」の有機物マルチ栽培による樹勢維持
- [要約]
- 土壌が乾燥する夏期に樹冠下の地表面を有機物でマルチする栽培法は、土壌乾燥を抑制し、樹勢を良好に維持でき、収量も多くなる。
和歌山県農林水産総合技術センター・暖地園芸センター・うめ部
[連絡先]0738-23-4005
[部会名]果樹
[専 門]栽培
[対 象]果樹類
[分 類]普及
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[背景・ねらい]
- ウメ樹の樹勢が低下する要因の一つとして、夏期の高温・少雨による土壌乾燥と地温上昇があげられている。そこで、夏期の土壌乾燥防止、地温上昇抑制、有機物補給などをねらいとして、岩屑土の園地で連年の有機物を利用したマルチ栽培が樹勢および収量に及ぼす影響を検討する。
[成果の内容・特徴]
- 夏期の有機物マルチ(稲わら25kgと牛ふんオガクズ堆肥75kg/樹、30樹/10a)栽培では、土壌水分が裸地栽培より多く、特に8月から9月にその差は顕著となり(図1)、細根の水分含有率を高く維持できる(図省略)。
- 有機物マルチ栽培は裸地栽培より新梢伸長停止時期が遅く(図2)、連年処理3年目の徒長枝発生本数が多く、収量も増加する(図3)。
- 有機物マルチ栽培は裸地栽培より葉・本年生枝・細根の窒素含有率が高く、本年生枝・細根の炭水化物/窒素が低くなり、樹体栄養が良好になる(図4)。
[成果の活用面・留意点]
岩屑土のような乾燥しやすい土壌では、積極的に導入すべき管理法である。
[その他]
研究課題名:地域特産果樹の樹勢強化による安定生産技術の確立
予算区分 :農林水産新技術実用化型
研究期間 :平成12年度(平成9〜13年)
研究担当者:三宅英伸、菅井晴雄、岩尾和哉、北原伸浩
発表論文等:なし
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