丹波黒大豆エダマメの7月どり栽培


[要約]
丹波黒大豆のエダマメは3月上旬の播種期で、無加温ハウスに移植栽培すると7月からの超早期収穫ができる。その場合の栽植密度は畝幅120p2条植えで株間20pが適当である。さらに本葉3葉展開時に摘心することで収量が増加する。
岡山県農業総合センター農業試験場・北部支場・野菜作物研究室
[連絡先]0868-57-2758
[部会名]野菜・花き(野菜)
[専  門]栽培
[対  象]果菜類
[分  類]指導

[背景・ねらい]
 丹波黒大豆エダマメの収穫時期は、岡山県北部地域での慣行栽培の5〜6月播種で、9月下旬以降から10月上旬に限られる。このため、収穫時期の前進化が望まれている。
 また、丹波黒大豆エダマメは本ぽで25日以上の短日処理を行うことで早期収穫は可能だが、短日処理には労力を要し普及性に欠ける。そこで、短日処理を行わずに、エダマメの需要の多い夏期に収穫できる栽培技術を確立し、差別化商品としての生産を図る。

[成果の内容・特徴]

  1. 丹波黒大豆エダマメの開花始期は播種時期が早いほど早まるが、着莢開始は4月5日以前の播種でないと早まらない。また、収穫時期は3月20日以前の播種でないと早まらない(図1)。
  2. 7月収穫が可能な播種日は3月20日以前であり、収量は播種期が早いほど多くなる(表1)。また、7月収穫した莢の外観的品質は、通常栽培に劣ることはない。
  3. 120p畝幅で2条植する場合は、株間20pで1本植の収量が最も多い(表2)。
  4. 本葉第3〜5葉が抽出したときに摘心することで、莢数が増加し、収量が増加する。本葉第3葉展開時に摘心すると莢数と収量が最も多い(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 育苗は72穴ペーパーポット等に播種し、ハウス内に温床を設置して行い、初生葉展開時に本ぽに定植する。
  2. 本栽培法では慣行の露地栽培に比べて生産費が高く、また、収量は岡山県北部の慣行栽培のものと比べて3割程度にとどまる。
  3. トンネル栽培では未検討である。

[その他]
研究課題名:中山間地域における野菜などの多品目少量生産流通技術
予算区分  :地域基幹
研究期間  :平成11年度(平成9〜13年度)
研究担当者: 岸 浩文
発表論文等:丹波黒大豆枝豆の7月どり栽培、「蔬菜」岡山県経済連、50巻6号、4-7、2000.

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