シュッコンカスミソウ「雪ん子」の夏秋季二度切り栽培
- [要約]
- 広島県中北部地域におけるシュッコンカスミソウの夏秋季ハウス栽培において、「雪ん子」を5月上中旬に定植すると、一番花を7月中下旬に、二番花を10月上旬に収穫できる。この品種は奇形花の発生が少なく、二番花の品質も優れる。
広島県立農業技術センター・高冷地研究部
[連絡先]0826-82-2047
[部会名]野菜・花き(花き)
[専 門]栽培
[対 象]宿根かすみそう
[分 類]指導
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[背景・ねらい]
- シュッコンカスミソウの夏秋季出荷の産地では、苗コストの低減と定植作業の省力化をねらった夏秋季二度切り栽培技術の確立が求められている。そこで、二度切り栽培に適した品種の選定と定植時期について検討する。
[成果の内容・特徴]
- 夏秋季栽培において、「雪ん子」は奇形花の発生程度が低く、一番花収穫後の芽の揃いが良く、枝先の分泌物が少ないため二度切り栽培に最も適している。「ブリストルフェアリー」と「リース」は奇形花の発生程度が高く、「ゴラン」は枝の開きが大きく枝先の分泌物が多いため収穫時の作業性が悪い(表1)。
- 「雪ん子」では、5月2日定植で一番花の平均収穫日が7月20日、二番花の収穫が10月1日となる。同様に5月16日定植では平均収穫日がそれぞれ7月25日と10月5日となる。6月定植では二番花の収穫を10月中に終えることができないため、暖房コストが大きくなり実用的でない(表1、図1)。
- 一番花の開花期は短期間に集中するが、二番花の開花期は分散して収穫期間が長くなるため、労力配分を考慮した作付け体系を作る必要がある(図1)。
[成果の活用面・留意点]
- 適応地域は奇形花の発生が少ない標高400m以上の冷涼地域とする。
- 最低気温が10℃以下となる地域では収穫期の加温が必要である。
- 栽培が長期間となるため、追肥の施用量、施用時期に留意する。
[その他]
研究課題名:多様な気象資源を活用した宿根性花きのリレー出荷体系の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成12年度(平成11〜15年)
研究担当者:青山幹男、田中昭夫
発表論文等:なし
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