トルコギキョウ2度切り栽培の冬期寡日照地域における暖房経費削減技術


[要約]
トルコギキョウの秋・春の2度切り栽培において、1番花切り下株に11月にジベレリン処理を行い、12月まで最低温度15℃以上で管理し、1月は無加温管理として、2月から再び最低温度15℃以上とすることで、暖房コストの低減ができる。無加温管理期間を調整することで、開花期の分散が図れる。
山口県農業試験場・栽培技術部・園芸栽培グループ
[連絡先]083-927-0211
[部会名]野菜・花き(花き)   
[専  門]栽培
[対  象]トルコギキョウ
[分  類]研究

[背景・ねらい]
 トルコギキョウの秋・春の2度切り栽培では、生育・花芽分化促進のため高温管理が行われるため、暖房経費が非常に高くなること等により2度切り栽培が減少しつつある。そのため、2番花の開花を遅らせることなく、暖房経費の軽減のできる温度管理方法の確立が求められている。
 これまでに11月から最低温度15℃以上で管理した場合に比べて、切り下株を12月の1か月程度無加温管理を行うことにより、暖房燃料消費量を約18%削減することを明らかにしたが、さらに暖房燃料消費量の低減技術を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. 切り下株に11月にジベレリン処理を行うとともに、12月まで最低温度15℃で管理し、1月の1ヶ月間程度無加温管理し、再び2月から最低温度15℃以上の温度管理を行うことにより、切り下株を1か月程度無加温管理した場合とほぼ同時期の開花が可能である(表1)。
  2. 本管理法では、切り花長は大きな差はみられなかったが、節数が増加する。これは、1月の無加温管理時に節間が詰まった生育を行うためである(表1)。
  3. 12月より気温の低い1月に無加温管理すると、12月に無加温管理する場合に比べて暖房燃料消費量が低減可能である。したがって、12月の1か月程度無加温管理する場合に比べて暖房燃料消費量の削減が可能となる(表2)。
  4. 11月のジベレリン処理及び12月まで最低温度15℃以上の管理を行い、その後無加温管理を行う場合、再び最低温度15℃以上の温度管理を開始する時期を1月から2月に延ばすことにより、2番花の開花時期の調節が可能となる(図1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 無加温管理後の温度は、最低15℃以上が必要である。

[その他]
研究課題名:有望花きの品種生態解明 トルコギキョウの2度切り栽培技術の確立
予算区分  :県単
研究期間  :平成11年度(平成8年〜11年)
研究担当者:安良田勉、前田 剛、中村建夫(農業大学校)

目次へ戻る