[成果情報名]

ビタミンC残存量を高く保持する柿葉茶の製造方法

[要約] 柿葉を蒸熱処理10分程度施した後に機械乾燥すると、ビタミンCを高く保持する柿葉茶を製造することができる。
[キーワード] カキ「西条」、柿葉、蒸熱処理、機械乾燥、ビタミンC、柿葉茶
[担当] しまねの味開発指導セ・加工技術科
[連絡先] 0855-28-1881、ajisen@pref.shimane.jp
[区分] 近畿中国四国農業・食品流通
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 柿果実は主に生果、干し柿として利用されているが、ビタミンCを豊富に含む葉はほとんど利用されていない。そこで、柿葉の有効利用および他の柿葉茶製品との差別化を図るため、ビタミンC残存量を高く保持できる柿葉茶の製造方法を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. 柿葉のビタミンC含量は、甘柿、渋柿で明確な差はなく、他の農産物と比較して高い(図1)。
  2. 6月中旬のカキ「西条」の葉を用いて,蒸熱処理を10分程度施すことにより、半年間常温保存した場合でも高いビタミンC残存量を保持できる(図2)。
  3. 日陰乾燥よりも短時間で乾燥できる機械乾燥の方がビタミンC残存量を高く保持できる(図2)。
  4. 市販柿葉茶10種のビタミンC含量はいずれも低く、12.5mg/100g〜32.0mg/100gの値である(図3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 品種や柿葉の採集時期により葉の厚さが異なるので、適切な蒸熱時間については個別に検討を要する。
  2. 安全性の観点から、使用する柿葉は無農薬が望ましい。
  3. 高ビタミンC含有柿葉茶として、他製品との差別化につなげることができる。

[具体的データ]





[その他]
研究課題名 西条柿の機能特性と摘果摘葉処理物の有効利用
予算区分 県単
研究期間 2002〜2003年
研究担当者 鶴永陽子,松崎 一
発表論文等 鶴永ら(2003)園学雑 72(別1):322

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