[成果情報名]

大豆の豆乳抽出率と豆腐の硬さの推定法

[要約] 豆乳抽出率は粉砕大豆の水抽出液の固形分量から、豆腐の硬さは大豆水抽出液のカルシウム凝固率から豆腐製造前に推定できる。
[キーワード] ダイズ、豆乳、豆腐、抽出率、硬さ
[担当] 徳島工技セ・食品技術課
[連絡先] 088-669-4711、ohmura@itc.pref.tokushima.jp
[区分] 近畿中国四国農業・食品流通
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 国産大豆や有機栽培大豆は小規模生産のため、品質の不揃いを指摘されている。しかし、豆腐用大豆の簡易迅速な評価方法が確立されていないことから、豆腐製造は熟練者の経験や勘に頼っている。高品質の豆腐を安定的に製造するためには、豆腐製造前に大豆の豆腐加工適性を把握することが求められている。そこで、豆腐の歩留まりに影響する豆乳抽出率と豆腐の食味に関与する豆腐の硬さを原料大豆の段階で推定できる方法を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. 大豆水抽出液の固形分量(Brix%)は30分間以内で測定できる(図1)。大豆水抽出液の成分のうち、たんぱく質の含量は50%である。
  2. 大豆水抽出液の固形分量は工場規模で製造した豆乳抽出率と高い正の相関が認められ、大豆水抽出液の固形分量から豆乳抽出率を推定できる(図2)。
  3. 大豆水抽出液のカルシウム凝固率は(A−B)/Aで求める。なお、A:大豆水抽出液のBrix%、B:上澄み液のBrix%であり、(A−B)は塩化カルシウムにより凝固した大豆水抽出液のBrix%である(図3)。カルシウムイオンの添加により凝固する成分は主にたんぱく質と脂質である。このカルシウム凝固率測定法は大豆水抽出液のたんぱく質のカルシウム凝固性の違いを利用する方法である。
  4. 大豆水抽出液のカルシウム凝固率は充填豆腐の硬さと高い正の相関が認められ、カルシウム凝固率から豆腐の硬さを推定できる(図4)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 国産大豆品種の豆腐加工適性評価法として活用できる。
  2. 豆腐製造企業が活用すれば,豆腐の品質安定化に繋がる。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 豆腐の新しい食味評価法の可能性試験
予算区分 国補(RSP)
研究期間 2002年度
研究担当者 大村芳正、新居佳孝
発表論文等 大村(2003)徳島工技セ研報12:29-30

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