[成果情報名]

隔離床を用いた高糖度トマト生産における生理障害対策

[要約] 隔離床を用いた節水管理による高糖度トマト生産において発生する葉の黄化、新葉の枯死といった生理障害を養液栽培肥料の使用によって防止することができる。
[キーワード] トマト、高糖度、生理障害
[担当] 香川県農業試験場・野菜担当
[連絡先] 087-889-1121、Kfujimura@aes.gr.jp
[区分] 近畿中国四国農業・野菜
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 香川県では簡易な構造の隔離床で養液土耕栽培を行う「ゆうらくシステム」を開発し、トマト、ミニトマトで23戸導入されている。
 本方式を用いて節水管理による高糖度トマト生産を行った際に、葉の黄化や新葉の枯死といった障害が発生し問題となっている。そこで、肥料の改善による生理障害対策について検討する。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 慣行の無硫酸根肥料では葉の黄化が発生するが、硫酸マグネシウムを添加することにより発生が減少する。(図1)。
  2. 尿素を多く含む慣行の肥料では新葉の枯死が発生するが、尿素含量の低い隔離床専用肥料を用いると発生しない(図1)。
  3. 養液栽培肥料を用いると葉の黄化、新葉の枯死ともに発生しない。
  4. 総収量は新葉の枯死を生じない隔離床専用肥料と養液栽培肥料が同等で高く、高糖度果実収量は養液栽培肥料が最も高い(図2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 隔離床で無硫酸根肥料を使用した時に発生する生理障害対策に活用できる。
  2. マサ土:ピートモス混合培地(混合比1:1)を用いた場合の結果である。
  3. 硫酸マグネシウムは無硫酸根肥料を給液する濃度に希釈した後に添加する。
  4. 養液栽培肥料を用いるには、現地に導入されている「ゆうらくシステム」の給液装置の改変が必要である。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 高糖度トマト生産技術の確立
予算区分 県単
研究期間 2002〜2005年度
研究担当者 藤村耕一、野田啓良、牛田均、松崎朝浩

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