[成果情報名]

ミヤコカブリダニを利用したカーネーションの夏季ナミハダニ防除

[要約]  冬切りカーネーション栽培において、薬剤抵抗性の発達で防除困難なナミハダニに対し、 ミヤコカブリダニを放飼することにより夏季のナミハダニを低密度に抑えることができる。
[キーワード] カーネーション、ナミハダニ、ミヤコカブリダニ
[担当] 香川農試・病害虫担当
[連絡先] 電話087-889-1121、電子メールvd6515@pref.kagawa.lg.jp
[区分] 近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 冬切りカーネーション栽培では、薬剤抵抗性の発達によりナミハダニの防除に苦慮するとともに、 頻繁に行われる防除作業は生産者の負担となっている。そこで、ナミハダニに対する薬剤抵抗性の発達回避と 夏季防除作業の軽減を図るため、天敵ミヤコカブリダニの利用を検討する。
[成果の内容・特徴]
  1. 冬切りカーネーション栽培において、6月中旬からミヤコカブリダニを(約2000頭/10a)を 1〜2週間間隔で3回放飼することにより、放飼開始約1ヵ月後からナミハダニ密度が低下し、 9月上旬まで低密度に抑制することができる(図1)。
  2. ミヤコカブリダニの放飼は夏季のナミハダニの密度を薬剤防除と同等に抑制することができ、 夏季防除作業の軽減が図れる(図3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 放飼は、ハダニが増え始める、摘心後側枝が伸長し始めた頃、あるいは2年切り栽培では株の 刈り込み後に行う。
  2. 放飼開始時にナミハダニの被害が散見される場合は、ミヤコカブリダニに影響の少ない剤を 散布し密度を下げてから放飼する。
  3. 出蕾期(9月中旬頃)以降のナミハダニの増加は品質に影響するため、化学薬剤での防除に 切り替える。
  4. ミヤコカブリダニ放飼後、土着天敵であるハダニアザミウマが自然発生してナミハダニの 密度抑制を補完することがある。
  5. ミヤコカブリダニ剤のカーネーションにおけるナミハダニに対する登録は準備中である (平成19年1月現在)。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 病害虫総合防除技術の確立に関する研究
予算区分 県単
研究期間 2005〜2007年
研究担当者 森田知子、楠 幹生、松本英治
発表論文等 森田・松本(2005)四国植物防疫研究40:54(講要)
森田ら(2006)第16回天敵利用研究会(講要)

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