[成果情報名]

キュウリうどんこ病の多発が果実の商品性に及ぼす影響

[要約]  キュウリうどんこ病が多発すると収穫果実の秀・優・良品果実の割合が低くなり格外果実が増えることで 商品性が低下する。これに比べ総量的な収量への影響は小さい。
[キーワード] 果菜類、キュウリ、ハウス抑制栽培、うどんこ病、果実の商品性
[担当] 愛媛県農業試験場・生産環境室
[連絡先] 電話089-993-2020、電子メールnao-masahiro@pref.ehime.jp
[区分] 近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 近年、愛媛県内のキュウリではハウス抑制栽培を中心にうどんこ病が多発している。通常、本病は葉、 葉柄で発病し、病勢が著しく進展しても果実での発病は認められない。一方、キュウリの収穫果実は わずかな曲がり具合によって商品性が決定されるが、果実の商品性に及ぼす本病の影響を具体的に評価した 調査は行われていないのが現状である。このため、本病の多発条件下での収穫果実の商品性を数値化することで 営利栽培を行う場合の防除指導上の参考資料を得る。
[成果の内容・特徴]
  1. なたね油乳剤と炭酸水素ナトリウム・無水硫酸銅水和剤及びキノキサリン系水和剤の防除圧で 本病を制御し、無処理区との発病差が生じたところ(図1)、 本病の多発によって秀・優・良果実の割合が減少し、格外果実が増加して商品性が低下する (表1)。 果実品質の低下に比べると総量的な収量に与える影響は小さい(表1)。本病の多発による格外果実は曲がり果と尻細果が 大部分を占める。
  2. 無処理区の秀・優・良果実率は、本病がより多く発生した2005年の方が2004年より低くなったことから、 病勢が進展すると果実の品質性低下は顕著となる(表1)。この 品質性は特に秀品果率で低下する (表1)。
[成果の活用面・留意点]
  1. キュウリの営利栽培を行う場合に本病が多発すると商品価値のない格外果実が多くなるため、 収入減につながる。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 キュウリうどんこ病の防除対策
予算区分 国補(植物防疫)
研究期間 2004〜2005年
研究担当者 奈尾雅浩
発表論文等 奈尾(2005)四国植防40:17〜23.

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