[成果情報名]

硝化抑制剤入り肥料の利用によるシュンギク栽培

[要約]  硝化抑制剤入り肥料を用いてシュンギクを栽培しても、収量性、品質に影響なく生産できる。この場合、 土壌深部の溶液中の硝酸イオン濃度は減少する。
[キーワード] 硝化抑制剤入り肥料、シュンギク、生育、硝酸イオン、抑制
[担当] 大阪食とみどり技セ・都市農業部・野菜園芸グループ
[連絡先] 電話072-958-6551、電子メールyamasaki@mbox.epcc.pref.osaka.jp
[区分] 近畿中国四国農業・野菜
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 大阪の軟弱野菜産地では、施設栽培を用いた作付け頻度の高い連輪作栽培体系により、経営を維持する 生産者が多い。過剰施肥により、作土中に保持できなくなった肥料成分の1つである硝酸態窒素 (硝酸イオン)の流亡が危惧される。
そこで、硝酸イオンへの変化が遅い硝化抑制剤入り肥料のシュンギク等軟弱野菜の栽培適応性評価、 土壌深部への硝酸態窒素の簡易調査を実施し、環境に配慮した都市農業の確立を目指す。
[成果の内容・特徴]
  1. 硝化抑制剤入り肥料を用いてシュンギクを栽培すると、他の肥料を用いた場合と同様な生育をする (図1)。
  2. 硝化抑制剤入り肥料を用いてシュンギクを栽培すると、土壌中の硝酸イオン濃度は、追肥後も低く 推移するが、栽培後期まで肥効が持続する(図2)。
  3. 硝化抑制剤入り肥料を用いてシュンギクを栽培すると、土壌深部の溶液中の硝酸イオン濃度は、 栽培期間を通して低く推移する(図3)。
  4. 硝化抑制剤入り肥料を用いてシュンギクを栽培すると、同等な生育・品質の収穫物が得られる (表1)。
  5. 以上のように、硝化抑制剤入り肥料を用いてシュンギクを栽培すると、他の肥料を用いる場合と 同等な生育・品質が期待できる。
[成果の活用面・留意点]
    30℃以上の気温が高い時期に、硝化抑制剤入り肥料を利用すると、水に溶出する肥料成分が多く、 EC(電気伝導度)が急激に高くなることがある。肥料による濃度障害の回避のためには、25℃以下の 涼〜低温期での利用が望ましい。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 機能性肥料高度活用推進事業
予算区分 交付金
研究期間 2003〜2005年
研究担当者 山崎基嘉、森下正博

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