[成果情報名]

実エンドウ「紀の輝」の夏まき年内どり栽培における施肥方法

[要約]  実エンドウの早生品種「紀の輝」の連作地における施肥方法は、基肥を晩生品種「きしゅううすい」の 窒素成分10kg/10aより少ない5kg/10aとし、追肥を窒素成分15kg/10aと多くすることで、L莢率が高まり、 初期収量が多くなる。
[キーワード] 実エンドウ、夏まき年内どり、窒素吸収量、施肥量、紀の輝
[担当] 和歌山農技セ・暖園セ・園芸部
[連絡先] 電話0738-23-4005、電子メールfukushima_f0003@pref.wakayama.lg.jp
[区分] 近畿中国四国農業・野菜
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 実エンドウの新品種である早生タイプの「紀の輝」は、夏まき年内どり作型で品質が優れ、初期収量が 多くなることから、産地では主要品種である晩生タイプの「きしゅううすい」に変わる品種として期待され、 本作型と新品種に適応した施肥法の確立が課題である。このため、両品種の窒素吸収特性を把握するとともに、 連作地における品種に適した施肥法を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
  1. 慣行の施肥において、「紀の輝」は「きしゅううすい」と比べて、茎葉、莢ともに乾物重が重く、 乾物あたりの窒素含有率には差が認められない。「紀の輝」の窒素吸収量は、開花始め、収穫始め、 栽培終了時ともに「きしゅううすい」より多い(表1)。
  2. 「紀の輝」では、基肥を慣行の窒素成分10kg/10aより多い15kg/10aとすることで、生育初期の 花落ちによる着莢率が減少し、初期収量が低下する。一方、基肥を慣行より少ない5kg/10aとし、 追肥を15kg/10aと多くすると、着莢率が上昇し初期収量も増加する (図1表2)。
  3. 「紀の輝」は「きしゅううすい」と比べて、L莢率は高いが、むき実率は低い特性がある。 「紀の輝」では、基肥重点施肥でL莢率およびむき実率が低下する。一方、追肥重点施肥でL莢率が 若干向上する(表2)。
[成果の活用面・留意点]
    実エンドウは初作と連作では施肥量が異なる。本成果は連作地において実施した結果であり、 このような場面で活用できる。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 産地いきいき健康エンドウ生産技術
予算区分 県単
研究期間 2003〜2005年
研究担当者 福嶋総子、神藤宏、川西孝秀*、森下年起*、西森裕夫*、東卓弥*(*農試)

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