[成果情報名]

丹波黒大豆系エダマメ品種「紫ずきん2号」の特性

[要約]  9月上旬に収穫できるエダマメ新品種「紫ずきん2号」は、「紫ずきん」と同程度の食味と莢の 大きさで、ダイズモザイクウイルスに起因する莢茶しみ症が発生しない。草姿は「紫ずきん」より コンパクトで、密植により「紫ずきん」と同等の収量が得られる。
[キーワード] エダマメ、黒大豆、早生、ダイズモザイクウイルス、莢茶しみ症、食味
[担当] 京都農資セ・応用研究部
[連絡先] 電話0774-93-3527、電子メールy-mimura02@pref.kyoto.lg.jp
[区分] 近畿中国四国農業・野菜
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 エダマメ「紫ずきん」は食味の良い丹波黒大豆系エダマメとして栽培されている。しかし、収穫期が 9月下旬から約1か月間と遅く、需要の多い9月中旬以前に出荷ができないことや、ダイズモザイクウイルス (SMV)による莢茶しみ症が発生する等の問題点があるため、早生でSMV抵抗性品種を育成した。そこで、 その生育及び収量特性を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
  1. 「紫ずきん」とSMV抵抗性の「玉大黒」を交配し、後代の選抜により「紫ずきん2号」を育成した。
  2. 開花期は「紫ずきん」より3日早く、収穫日は3週間早い。莢数は「紫ずきん」の半分以下であるが、 2、3粒莢率は高い(表1)。
  3. 主茎長は「紫ずきん」より5cm短く、節数は2節少ないコンパクトな草姿であり、「紫ずきん」より 機械収穫がしやすい(表2図1)。
  4. 栽植密度を2778株/10aに高めると、単位面積当たり収量は「紫ずきん」と同等となる (表2)。
  5. 6月6日定植と比較し、開花期は17日間、収穫日は12日間遅れる。遅植えほど主茎長は短く、 莢長は長く、一莢重は重くなり、6月27日定植では6月20日定植の「紫ずきん」(莢長67.2mm、 一莢重5.5g)に近い莢長、一莢重となる(表3)。
  6. 官能検査の結果、「紫ずきん2号」の食味は、「紫ずきん」と同等である。
  7. SMVの接種試験では、A、B、C及びD系統に抵抗性を示し、ほ場でも発症は見られない。
[成果の活用面・留意点]
  1. 「紫ずきん」と同じ栽植密度では、収量が劣るので密植すること。
  2. 「紫ずきん」より収穫時期の気温が高いため、糖成分のスクロースが急速に低下する恐れがあるので 鮮度保持に注意が必要である。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 丹波黒大豆系エダマメ品種「紫ずきん2号」の育成
予算区分 府単
研究期間 2000〜2005年
研究担当者 三村裕、古谷規行、小坂能尚、林健
発表論文等 平成18年4月品種登録出願

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