[成果情報名]

春出荷トルコギキョウの種子の低温処理と長日処理の併用による栽培期間の短縮

[要約]  春に出荷するトルコギキョウは、定植以後を24時間日長で管理した場合、吸水種子の低温処理を行うと 低温処理無に比べて開花が促進される。吸水種子の低温処理を行った場合、定植以後を16時間日長以上で 長日処理すると自然日長に比べて開花が促進される。
[キーワード] トルコギキョウ、吸水種子、低温処理、長日処理、開花促進
[担当] 広島農技セ・花き栽培研究部
[連絡先] 電話082-429-3067、電子メールngckaki@pref.hiroshima.jp
[区分] 近畿中国四国農業・花き
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]
 トルコギキョウは、冷房育苗技術、苗冷蔵処理および吸水種子の低温処理などが開発されたこと により、秋〜春季出荷が可能となった。しかし、今なお、夏季に出荷される季咲きの生産量に比べて著しく 少ない。この一因として栽培期間の長いことが挙げられる。そこで、栽培期間の短縮を図るため、 春出荷作型においてトルコギキョウの吸水種子の低温処理と栽培中の長日処理の併用が開花に及ぼす影響を 明らかにする。
[成果の内容・特徴]
  1. 定植以後を24時間日長で管理する場合、吸水種子の低温処理を行うことにより無処理に比べて 開花日が早くなり、到花日数で15日程度短くなる (表1)。この際、切り花長はやや短く、切り花重は軽くなるが、 商品として十分な切り花を収穫することができる。
  2. 吸水種子の低温処理を行う場合、16時間日長以上の長日処理は、自然日長に比べて開花を促進し、 品種によっては20時間日長までは日長が長いほど到花日数が短くなる (図1)。第一花節位は、到花日数と同様の傾向を示し、 16時間日長以上の長日処理により自然日長に比べて低下し、品種によっては20時間日長までは 日長が長いほど低下する。
  3. 長日処理は、自然日長に比べて切り花品質を低下させるが、十分に商品性がある切り花を 収穫することができる(表2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 吸水種子の低温処理は、種子を水中に浸漬し、10℃・暗黒条件で5週間処理する。
  2. 圃場に定植以後の最低気温が10℃以下とならないように加温を行い、定植日から長日処理を行う。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 多様な気象資源を活用した宿根性花きのリレー出荷作型体系の確立
予算区分 県単
研究期間 1999〜2003年
研究担当者 福島啓吾、石倉聡、勝谷範敏

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