[成果情報名]

赤ナシ新品種「あきづき」「王秋」の着果管理法

[要約]  「あきづき」「王秋」は、3〜5番果で、側枝1mあたりに、5〜6果の果実を着果させることにより 品質のよい果実を得ることができる。
[キーワード] ニホンナシ、着果番果、着果密度
[担当] 鳥取園試・果樹研究室
[連絡先] 電話 0858-37-4211 電子メール engeishiken@pref.tottori.jp
[区分] 近畿中国四国農業・果樹
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 「あきづき」(平成9年登録)は食味が良く大果となるため、近年価格が低迷している「豊水」に 替わる赤ナシ品種として期待されている。また、「王秋」(平成12年登録)は、豊産性である上、既存の 晩生ナシ品種と比べて肉質が良く、食味良好な品種である。両品種とも鳥取県内において徐々に栽培面積が 拡大しつつあるが、栽培技術は未確立である。そこで、栽培管理の上で重要な着果管理法について検討した。
[成果の内容・特徴]
  1. 「あきづき」は高い番果の果実ほど小玉となる傾向があること (表1)、1〜2番果は果梗が短く、軸折れが多いことが観察される ことから、3〜5番果が最適な着果番果である。着果量は、着果密度が高いほど果重が小さく、糖度も 低くなる傾向が伺えることから、収量面を考慮すると、側枝1mあたり5〜6果にするのが適当である (表2)。
  2. 「王秋」は、1,2番果は扁平に、6番果以上は縦長になる傾向が著しいため、3〜5番果が 最適な着果番果である(表3)。着果量は、側枝1mあたりの 着果量を7〜8果にすると、700g未満の果実の割合が増えることから、側枝1mあたりに5〜6果を 着果させるのが適当である。800g以上の大玉をねらう場合は、さらに着果量を減らす必要がある (表4)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本試験結果は、試験場内の若木において側枝単位で行った結果である。樹単位で実施した場合や、 連年処理の影響等について今後検討する必要がある。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 赤ナシの良果安定栽培技術の確立
予算区分 単県
研究期間 2000〜2004年
研究担当者 山本正志、橋田祐二、小松秀雄

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