[成果情報名]

バルク乳氷点の変動要因

[要約]  バルク乳氷点は、平均±標準偏差は-0.522±0.006℃(最高値は-0.472℃、最低値は-0.538℃) であり、無脂乳固形分率とは負の、体細胞数とは正の有意な相関が認められ、季節変動も認められる。 また、高氷点牛群はミルカー等からの水の混入が疑われる。
[キーワード] 氷点、バルク乳、変動要因、無脂乳固形分率、体細胞数、季節、加水
[担当] 兵庫農総セ・淡路・畜産部
[連絡先] 電話0799-42-4883、電子メールOsamu_Takata@pref.hyogo.jp
[区分] 近畿中国四国農業・畜産草地
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 生乳の氷点は加水チェックに測定されているが、加水以外の要因でもかなりの変動が認められる。 そこで、兵庫県内バルク乳の調査結果から、乳成分、季節変化および個体乳との関連性を検討し、 バルク乳氷点の変動要因を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
  1. バルク乳氷点の平均値±標準偏差は-0.522±0.006℃で、最高値は-0.472℃、最低値は-0.538℃で、 高い氷点域での分布にバラツキが見られる(表1)。
  2. バルク乳氷点は乳成分率と負の相関関係があり、無脂乳固形分率とは高い相関(r=-0.621)が ある。また、体細胞数とは正の相関関係(r=0.326)がある (表2)。
  3. バルク乳氷点は季節変動が認められ、夏季に上昇、冬季に低下する。この変動は高氷点牛群、 平均氷点牛群、低氷点牛群(平均値±標準偏差から牛群を高・中・低に3区分)のいずれも同様の パターンである(図1)。
  4. バルク乳氷点と牛群検定乳氷点を比較すると、高氷点牛群では牛群検定乳氷点が低く有意な差が 見られる。この差は年間ほぼ一定であるため、原因はミルカー等からの水の混入が強く疑われる。 低氷点牛群においては差が認められない(図2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 生乳品質評価基準の1項目として、活用できる。
  2. バルク乳への混水防止の指導材料として活用できる。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 ひょうごブランド牛乳生産技術の開発
予算区分 県単
研究期間 2006〜2009年
研究担当者 高田 修、冨永敬一郎

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