[成果情報名]

ダチョウ卵殻表面ノリづけおよびビタミン剤給与による人工孵化技術の改善

[要約]  孵卵7日目までの1日当たり卵重減少率が0.5%以上と0.4%以下に中止卵がある。卵重減少率 0.5%以上の種卵には孵卵7日目に卵殻表面約1/3にノリづけ、卵重減少率0.4%以下を多く産む種禽に ビタミンADE剤とビタミンB剤を給与すると、受精率・対受精孵化率とも80%以上に改善される。
[キーワード] ダチョウ、人工孵化、ノリづけ、ビタミン剤
[担当] 愛媛鶏試・研究指導室
[連絡先] 電話0898-66-5004、電子メールyokei-shiken@pref.ehime.jp
[区分] 近畿中国四国農業・畜産草地
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 県内のダチョウの親鳥は産卵期を迎えているが、思うほど増羽には至っていない。そこで、諸外国に おいて50%といわれている対受精孵化率の改善を図る。
[成果の内容・特徴]
  1. 採卵した卵は、アルコール消毒し15℃で貯蔵する。孵卵機は、鶏用小型孵卵機の台座を改良した ダチョウ用孵卵機を用いる。孵卵条件は、庫内温度36.2℃、転卵24回/日で行う。発生座へは孵卵37日目に 移動する。孵卵室はエアコンで湿度25%を保つ。
  2. 孵卵成績は受精率53.0%、対受精孵化率59.1%、対受精中止率34.1%である。 (表1
  3. 孵化日数は、40〜41日をピークに早くて38日、遅くて43日である。
  4. 孵化卵は孵卵7日目の1日当たり卵重減少率が0.3〜0.5%の範囲内で、中止卵は0.5%以上と 0.4%以下にある。(図1
  5. 1日当たり卵重減少率0.5%以上の卵は、卵重減少を抑えるためノリづけを行う。ノリづけは、 気室を上にして卵殻表面約1/3を帯状に塗布する。(写真1
  6. ノリづけした種卵の対受精孵化率は80%以上と高い。(表2
  7. 1日当たり卵重減少率0.4%以下の卵を多く産む種禽には、ビタミンADE剤を飲水給与するとともに、 飼料にビタミンB剤を0.25%添加給与すると、受精率と孵化率が改善する。 (表2
  8. ビタミンADE剤およびビタミンB剤の給与、さらにノリづけすると、対受精孵化率が90%以上に 改善される。(表2
[成果の活用面・留意点]
  1. 孵化に影響しないようにジェル状の文房具ノリを用いる。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 ダチョウの飼育技術開発試験
予算区分 県単
研究期間 2000〜2004年
研究担当者 真鍋フミカ、高橋敏方、土岐静夫、難波江祐介、和田貢

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