[成果情報名] | クリ「岸根」の早期成園化のための大苗育苗方法 |
[要約] | クリ「岸根」は、1年生苗木をさらに1年間苗圃で育成して定植すると良い。育成中に新梢を摘心し、定植時に枝の切り返しを行うことにより樹冠が早く拡大し、初期収量が多くなる。また、計画密植栽培との組み合わせにより、一層の早期成園化が図れる。 |
[キーワード] | クリ、岸根、早期成園化、大苗育苗、摘心、切り返し、計画密植栽培 |
[担当] | 山口農総セ・農業技術部・園芸作物研究室・果樹栽培グループ |
[連絡先] | 電話 083-927-0245 |
[区分] | 近畿中国四国・果樹 |
[分類] | 技術・普及 |
クリ「岸根」は樹勢が強く、また発生枝数が少ないため、幼木期における収量が他の品種に比べて少なく、このことが改植の進まない一要因ともなっている。そこで、大苗育苗法などにより早期成園化を図る。
1.クリ「岸根」の1年生苗木を、苗圃でさらに1年間育成した苗木を定植することにより、樹冠占有面積が大きく、樹高も高くなる。苗木の育成方法は、5月下旬頃新梢を摘心し、次年度の定植時に枝を半分切り返す方法が良い。この処理により、定植後の母枝数が多く確保できる(表1、図1)。
2.結実初期の収量は、1年間育成することにより多くなる。1の方法では本圃定植4年目までの10a当たり合計収量は約900kgとなり、定植3年目と4年目の収量は400kg以上を確保できる。1果重にはほとんど差はない(表2)。 また、病害虫発生率など正果率にも大きな差はない(データ省略)。
3.4×2mの計画密植栽培と1年間の苗木育成を組み合わせることにより、現在一般的に行われている慣行栽培法(栽植密度5×5m、1年生苗木の圃場定植)に比較して、定植から4年目までの初期収量は約7倍確保でき(データ省略)、販売金額から資材費を差し引いた金額は10a当たり約25万円多くなる(表3)。
1.他の品種でも活用できるが、特に樹勢が強く、新梢の発生が少ない品種で効果が高いと考えられる。
2.4×2mの計画密植栽培では、5年目頃から縮伐を実施する。
3.受粉樹も大苗育苗する。
[具体的データ]
[その他] | ||
研究課題名 | :
クリ「岸根」における早期成園化技術の確立 |
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予算区分 | : 県単 | |
研究期間 | : 2004〜2008年 | |
研究担当者 | : 杉本健治 |