[成果情報名]

エコフィードの肥育豚への給与効果と利用方法

[要約]

エコフィードを市販配合飼料の一部として代替給与する場合、その代替率は肥育前期で30%、肥育後期で10%とすることにより、飼料要求率が改善し、肥育期間中の飼料費を低減することができる。また、豚肉の脂肪融点は低下せず、上物率も市販配合飼料を給与する場合と遜色ない。

[キーワード] ブタ、エコフィード
[担当]

山口農総セ・畜産技術部・放牧環境研究室

[連絡先]

電話 0837-52-0258

[区分] 近畿中国四国農業・畜産草地
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]

本県では、県内企業が食品製造工場、コンビニエンスストア、学校給食などから発生する調理屑、売れ残り食品や食べ残しなどを原料とした家畜用飼料(以下、エコフィード)の製造を開始しており、豚への給与方法の確立が求められている。
そこで、肥育豚に対するエコフィードの給与効果やその利用方法を明らかにするため、肥育前期及び肥育後期を通してエコフィードを給与し、豚用飼料としての利用性を検討する。

[成果の内容・特徴]

1.エコフィードは、市販配合飼料より高蛋白・高脂肪で、TDNが高い(表1)。

2.市販配合飼料の10%、30%をエコフィードで代替して給与すると、市販配合飼料を給与する場合と比べて、豚の発育に有意差はなく、飼料要求率が改善する。50%代替して給与すると、発育はいずれの区分と比べても有意に遅くなる(表2)。

3.豚肉の脂肪融点は、エコフィードを10%代替しても変わらないが、30%及び50%代替すると低下する(表3)。

4.肥育前期にエコフィードを30%代替して給与する場合、肥育後期でエコフィードの代替率を10%に落とすことにより、脂肪融点の低下を防ぐことができる(表3)。

5.上物率は、市販配合飼料を給与した場合と差がなく、安価なエコフィードを利用することにより飼料費が低減できる(表4)。

[成果の活用面・留意点]

1.エコフィードの代替率を肥育前期で30%、肥育後期で10%とすることで、豚肉の脂肪融点は低下せず、市販配合飼料を給与した豚と遜色ないものが生産できる。

2.飼料要求率が改善し、肥育期間中の飼料費を低減できることから、養豚農家の経営安定が期待できる。

3.エコフィードは、食品製造工場の調理屑、学校給食の食べ残し、コンビニエンスストアの廃棄弁当などの原料を減圧乾燥機により70℃6時間で乾燥した後、脱脂機により粗脂肪含量を10%程度に調整したものである。

4.本研究での供試豚は三元交雑種(LWD)である。

[具体的データ]

 

[その他]
研究課題名 : 未利用資源の畜産的利用に関する研究
  −エコフィードの肉豚給与に関する研究−
予算区分 : 県単
研究期間 : 2005〜2008年度
 
研究担当者 : 大賀友英、太田壮洋、秋友一郎、岡村由香

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