[成果情報名] | 抗菌性物質無添加の子豚期飼料への乳酸菌添加は飼料要求率を向上させる |
[要約] | 抗菌性物質無添加の子豚期飼料に乳酸菌製剤又は抗菌性物質を添加して、体重30kgから70kgまで子豚に給与すると、乳酸菌添加飼料給与による飼料要求率は抗生物質無添加飼料給与よりも向上し、抗菌性物質添加飼料給与と同等である。 |
[キーワード] | 子豚期飼料、抗菌性物質無添加、乳酸菌製剤 |
[担当] | 兵庫畜技セ・家畜部 |
[連絡先] | 電話 0790-47-2428 |
[区分] | 近畿中国四国農業・畜産草地 |
[分類] | 技術・参考 |
養豚用配合飼料に栄養成分の有効利用の目的で添加された抗菌性物質の使用量を低減するために、配合飼料への添加が認められた最終段階である子豚期飼料を用いて、抗菌性物質及びその代替物質としての乳酸菌製剤の飼料添加が子豚の発育、血液性状及び糞便内細菌数に及ぼす影響を明らかにする。
体重30kgから70kgの子豚期に給与する飼料として、抗菌性物質無添加飼料給与区(以下無薬区)、無薬飼料に乳酸菌製剤(エンテロコッカス フェシウムBIO-4R株生菌を10の7乗個/g含有:バラントール散)を0.2%添加した飼料を給与する区(以下乳酸菌区)及び無薬飼料に抗菌性物質としてノシヘプタイド5ppmとクエン酸モランテル30ppmを添加した飼料を給与する区(以下有薬区)を設定し、48頭の子豚に不断給与する。
1.子豚の発育は区間に差がないが、飼料要求率は乳酸菌区と有薬区が無薬区よりも有意に向上する(表1)。
2.血液生化学検査では、検査項目は3区ともにすべて正常値の範囲内にあり、子豚の健康状態には問題がない(表2)。
3.細胞性免疫の指標とした好中球/リンパ球比は、試験終了時に乳酸菌区が無薬区に対して有意に増加し、乳酸菌添加による免疫活性への影響が示唆される。一方、液性免疫の指標とした免疫グロブリンG 濃度は区間に有意差がない(表3)。
4.試験終了時の糞便内細菌検査では、乳酸菌区でバクテロイデスの有意な減少が見られるが、乳酸菌の有意な増加は認めない(図1)。
1.子豚期飼料において、抗菌性物質を添加しない場合の飼料要求率向上対策として活用する。
2.乳酸菌製剤の添加による飼料単価の上昇と、飼料要求率の向上による飼料費低減のバランスを考慮する必要がある。
[具体的データ]
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[その他] | ||
研究課題名 | : 安全・安心に配慮した家畜飼養管理技術の開発 | |
予算区分 | : 県単 | |
研究期間 | :
2006〜2010年度 |
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研究担当者 | :
設楽 修 |