研究所トップ≫研究成果情報≫平成5年度
飼料用トウモロコシの生育ステージ広域予測システム
-
[要約]
-
飼料用トウモロコシの品種「3358」について、パーソナルコンピュータにより
宮城県内の1kmメッシュ毎の発芽期、絹糸抽出期、黄熟期を予測することが可能とな
った。
宮城県畜産試験場・草地飼料部
[連絡先] 0229-72-3101
[部会名] 畜産(草地)、水田農業
[専門] 栽培
[対象] 牧草類
[分類] 指導
-
[背景・ねらい]
-
輪作体系のなかで飼料作物は、他作業との競合や後作の影響で適期外の播種や収穫
を余儀なくされることがある。このため、飼料用トウモロコシについてメッシュ単位
で飼料用トウモロコシの生育ステージを予測するシステムを作成し、予測結果を
生産計画等に応用して良質粗飼料の安定生産・調製に資する。
-
[成果の内容・特徴]
-
飼料用トウモロコシの品種「3358(パイオニア)」を対象に、パソコンを利用
して、発育モデルにメッシュ日別気温推定値をあてはめ、宮城県内の1kmメッシュ毎
の生育ステージ(発芽期、絹糸抽出期、黄熟期)を予測するシステムを作成した。
-
本システムの対応横種は、PC-9801シリーズのパーソナルコンピュータで、利用に
当たってはMS-DOS及びN88-日本語BASIC(86)(MS-DOS版)の各システムが必要である。
また、日平均気温の累年平均値ファイル等12種類のメッシュデータファイルが必要
で、データ容量は約80MBである。
-
メッシュ区分は、第3次地域区画(3次メッシュ、約1km×1km)であり、予測作業に
当たっては「宮城県メッシュ日別気温推定システム」により、あらかじめ予測年次の
日別気温を推定しておく必要がある。
-
発育モデルは、日々の発育速度(DVR)を積算し、発育指数(DVI)が1となる日が発芽期、
2が絹糸抽出期、3が黄熟期とするDVIモデルである。
モデルの作成には作期移動試験データ(5作期、3ヵ年)を用い、日平均気温に対
するDVRをノンパラメトリックDVR法により推定した。
-
この予測システムは予測年次と播種期を入力すると、発芽期・絹糸抽出期・黄熟期
の3ステージを計算し、予測値を宮城県全域、農林事務所管内別、市町村別、
単一メッシュあるいは任意区域(44メッシュ×44メッシュ)について表示する。
-
[成果の活用面・留意点]
-
宮城県内の農業改良普及所等で、飼料用トウモロコシの計画的栽培の指導に利用で
きる。
-
生育ステージの予測値には、発育モデルの予測誤差と気温の予測誤差が含まれ、
日平均気温の予測値は、沿岸部等で誤差が大きくなる傾向がある。
[その他]
研究課題名:輪作体系安定化のための飼料作物栽培調製法及び
復元田における水稲栽培法の確立
輪作体系安定化栽培調製法の確立
気象変動と熟期
予算区分 :国庫助成
研究期間 :平成5年(平成3〜5年)
発表論文等:なし