| 1. |
「秋田酒こまち」は1992年に秋田県農業試験場において、「秋系酒251」を母、「秋系酒306」を父として人工交配し、選抜・固定を進めてきた品種であり、2000年F8より「秋田酒77号」の系統名を付し奨励品種決定試験で検討してきた。 |
| 2. |
出穂期・成熟期ともに「美山錦」並の“中生の中”である(表1)。 |
| 3. |
稈長が「美山錦」より短く、耐倒伏性は「美山錦」より強い(表1)。 |
| 4. |
いもち病抵抗性遺伝子型はPia、Piiと推定され、圃場抵抗性は「美山錦」並で葉いもちは“やや強”、穂いもちは“中”である。障害型耐冷性は“中”、穂発芽性は“やや難”である(表1)。 |
| 5. |
玄米収量は「美山錦」並である。玄米は「美山錦」より大粒で外観品質に優れ、粗蛋白質含量が低い(表1)。 |
| 6. |
玄米は眼状の心白の発現が良好で、精米試験では無効精米歩合が低く「山田錦」並に良好である(表2)。 |
| 7. |
清酒仕込み試験では、酒母、もろみの溶けが良好である。吟醸酒の官能評価では、味が濃く、ふくらみがあり上品な酒質である(表3)。 |
| 8. |
平成13酒造年度全国新酒鑑評会第I部(山田錦以外を原料とする)において、出品7点中5点が入賞し、うち2点は金賞を受賞している(表4)。 |