[背景・ねらい] |
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最近、無登録農薬の使用や農産物の農薬残留が大きな問題となり、農産物については農薬使用履歴が求められるような状況になるなど、食の安全性への関心が一層高まってきている。しかし、これまで生産者側から米の農薬残留実態についての説明は十分行っていない。そこで、東北地域の防除体系に沿って使用された主な農薬の残留傾向をとりまとめ提示する。 |
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[成果の内容・特徴] |
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1. |
育苗箱施用の殺菌剤・殺虫剤(プロベナゾール、カルプロパミド、フィプロニル、イミダクロプリド)および、除草剤(メフェナセット、プレチラクロール)の残留は、検出限界未満である(表1、表2)。 |
2. |
水面施用の殺菌剤の玄米および白米の残留は、6月下旬施用のプロベナゾール、8月初旬施用のピロキロンとも検出限界未満である(表3)。 |
3. |
出穂直前から使用する茎葉散布剤(いもち病防除剤:イソプロチオラン、フサライド、トリシクラゾール、カメムシ防除剤:MEP、BPMC)の残留は、散布時期が遅くなるにつれて残留濃度は高くなる傾向が認められるが、いずれも残留量は最大でも基準値の1/3程度で、基準値未満である。(表4) |
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[成果の活用面・留意点] |
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1. |
農薬残留に関する米の安全性の説明資料として活用できる。 |
2. |
東北地域の代表的な農薬使用体系(図)に基づいた農薬使用における一般的な残留の傾向としてまとめたものである。
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