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ひえ、あわ、きびの精白によるミネラル及びポリフェノール含量の変動

[要約]
ひえ、あわ、きび穀粒中の鉄やマグネシウム、ポリフェノールは外層部分に多く含まれ、精白歩合を高めることにより減少する。抗酸化活性も精白により減少するが、炊飯しても変化しない。
[キーワード]
  ひえ、あわ、きび、ミネラル
[担当]岩手農研・生産環境部・保鮮流通技術研究室
[連絡先]電話0197-68-4425、電子メールyo-kodama@pref.iwate.jp
[区分]東北農業・流通加工
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
雑穀は近年、健康食品として消費が伸びており、栄養成分について注目されている。このような中、雑穀のミネラル成分及び抗酸化活性が、精白や炊飯によってどの程度変化するか知見が不足していたことから、これらの調査を行った。
[成果の内容・特徴]
 
1. ひえ、あわ、きび玄穀中マグネシウム・カリウムは玄米よりやや多く、鉄は同程度含まれている。これらの成分は外層に多く、精白により減少するが、あわでは、精白後の残存が比較的多い(表1)。
2. ポリフェノール含量はあわ、ひえ、きびの順に多く、外層部分に多く含まれることから精白により減少するが、あわでは残存が比較的多い(表1)。
3. DPPHラジカル消去活性測定法による抗酸化活性は、ひえ、あわ、きびの順に高い(表2)。
4. 抗酸化活性は、ひえ、あわ、きびとも精白歩合を高めるに従い減少する(図1)。
5. 抗酸化活性は、ひえ、あわ、きびとも炊飯によって変化しない(図2)。
[成果の活用面・留意点]
 
1. 雑穀の栄養成分に関する知見は少ないので、雑穀販売や、加工品製造を行う上での基礎資料となる。
2. 搗精歩合と栄養成分や抗酸化活性の関係が明らかとなり、利用目的にあった穀粒の調整法を研究できる。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: 地域資源を活用した高付加価値農産物の生産流通システムの開発
雑穀の加工適性評価
予算区分: 国庫(地域基幹)
研究期間: 2000〜2002年度
研究担当者: 菊地淑子
発表論文等: なし