2006年3月7月(火)〜9日(木)、つくば国際会議場等で国際ワークショップ「モンスーンアジア農業生態系における温室効果ガス発生」が開催されました。参加者数は108名で、そのうち海外からは、中国、韓国、タイ、インドネシア、米国、オーストラリアから16名でした。
以下にワークショップの概要を報告します。
開催のねらい
国連地球温暖化防止条約と京都議定書に対する対応のため、農業生態系における温室効果ガス(GHG)発生量の精緻化とその削減方策の開発・普及が強く求められています。本ワークショップでは、これまでのわが国における研究成果と国際研究協力を活用し、共通の農業生態系構造を持つモンスーンアジア地域(ASEAN+3 + 南アジア)におけるこれらの問題に関する国際研究ネットワーク構築を目的とし、研究成果の整理と発信を目指しています。このことから、域内および他の地域との国際ネットワークを強化し、各国におけるGHGインベントリー策定の協力と国際共同研究計画下でのモンスーンアジア域における共同プロジェクトの策定を計画しています。
プログラム
1日目:
セッション1:基調講演(4題)
セッション2:農耕地からのGHG発生:各国からの報告(5題)
セッション3:農耕地からのGHG発生:モニタリングと削減技術(5題)
2日目:
セッション4:畜産業からのGHG発生と削減技術(5題)
セッション5:GHG発生量広域評価手法の開発(4題)
ポスターセッション(27題)
セッション6:総合討論
3日目:
エクスカーション(リサーチギャラリー、農環研、畜草研等)
本ワークショップでは、農耕地および畜産業からのGHG発生と削減技術、モンスーンアジア国際共同研究、およびIPCCガイドラインに関する基調講演の後、各国からの研究成果報告が行われました。
2日目の総合討論では、1)モニタリングとモデリングの連携、および 2)共同プロジェクト策定に向けた今後の協力を中心に討論され、GHG発生量の広域評価を行う際の問題点が抽出され、今後の研究の必要性が提示されました。また、モンスーンアジア農業生態系温室効果ガス発生研究計画(MAGES)の策定が提案されました。